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zoom RSS ミソハギのある風景

<<   作成日時 : 2009/08/16 21:18   >>

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ミソハギ (Lythrum anceps (Koehne) Makino) はミソハギ科植物で、分布はわが国と朝鮮半島に限られていますが、近縁で全体に短毛のあるエゾミソハギ (Lythrum sallicaria L.) は、ユーラシア大陸に広く分布し、北米にも帰化しています。写真はミソハギの方です。

本田正次博士はミソハギについて次のように記述しています。
「ミソハギという名前は、水辺にあるので溝萩(みぞはぎ)と思われがちだが、本当は禊萩(みそぎはぎ)であり、これは祭事に用いられるところからつけられた。漢字ではふつう千屈菜または千屈萩と書いている。仏花として栽培することもあり、その場合はふつうの庭でもよくできる。北海道から九州まで全国に広く野生し、朝鮮半島にも分布している。全国にわたってボンバナ、ショウロウバナまたはこれらに類似した方言が多く、一般に親しまれているが、すべて仏花からきた名前である」(本田正次「植物学のおもしろさ」朝日選書366 朝日新聞社)。

野原にはミソハギが今を盛りと咲いています。上文のとおり、水田や農業用水路など水辺に多い植物です。田のあぜや農道のへりには、他の雑草はきれいに除かれていても、ミソハギの群はよく残されていて、今や稔りつつある水稲の緑をバックに、お盆と終戦記念日が重なるこの季節の田園風景を作り出しています。

金子みすゞは、つぎのような、「みそはぎ」という題名の童謡をつくっています。

ながれの岸のみそはぎは、
誰も知らない花でした。

ながれの水ははるばると、
とおくの海へゆきました。

大きな、大きな、大海で、
小さな、小さな、一しずく、
誰も知らないみそはぎを、
いつも思って居りました。

それは、さみしいみそはぎの、
花からこぼれた露でした。

みすゞさんが見たミソハギは誰も知らないさびしいミソハギでしたが、ここのミソハギはたくさん仲間がいるので、さびしくはないでしょう。しかし、ミソハギのある風景は、ちょっとさみしいものでした。お盆ですから、水田には誰も出ていません。いるのは、カメラをぶら下げた、あやしい人影だけでした。

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水田のほとり



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ミソハギの花



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訪問者はキタテハ



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草むらの中のミソハギ



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コメント(11件)

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ミソハギ、こんな所に・・誰かが植えたものかしら?それとも自然に生えるものでしょうか?アップで見ると綺麗ですね。
みーたん
2009/08/16 22:33
見事に群生したミソハギですね。
カメラを持ったうろつく、怪しい人影…ちょっと想像してしまいました^^;
金子みすゞさん、一時期ブームで私も詩集を買った覚えがあります。
やさしい文章がぐっときますね。
ミソハギの童謡もとっても可愛らしくて良いですね♪
humming
2009/08/17 00:03
箱根の湿生花園でもミソハギとエゾミソハギが咲いていました。赤紫色の花がとてもきれいでした。ミソハギとエゾミソハギの見分け方は、茎の毛の有無だけではなく、がく片の突起の向きが分かりやすかったです。突起が横に向いているのがミソハギ、上を向いているのがエゾミソハギのようです。
宮城野
2009/08/17 06:37
みーたんさん、コメントありがとうございました。
このあたりの田んぼに出ますと、畦道や農道のへりに、1本〜数本、あるいはこのように群生して、ミソハギをあちこちに見ることができます。また、湿った薮にもよく見かけます。植えたものかどうか断定できないのですが、自然に生えてきたものを、農家の人たちが残して増えたのではないかと想像しています。
エフ・エム
2009/08/17 08:40
hummingさん、コメントありがとうございました。
水に落ちた一滴の雫なんて、水分子は立ち所に分散してしまうはずですが、さすがに詩人ですね。1滴の水にも魂を感じるのでしょうか。1滴の水に若くして亡くなったみすゞさん自身が投影されているような気がします。
エフ・エム
2009/08/17 08:52
宮城野さん、コメントありがとうございました。
箱根湿生花園にはたくさんのミソハギやエゾミソハギが咲いているのですか。さぞきれいでしょうね。
がくの付属物で両種を区別する方法、ありがとうごさいました。これは分かりやすいですね。
エフ・エム
2009/08/17 09:01
テルツマさん、気持玉をありがとうございました。
見ていただいてうれしく思います。
エフ・エム
2009/08/17 16:55
こんばんは
先日行った、水上の近くの田んぼにもミソハギが咲いていました。
みどりの稲との色合いがとても素敵でした。
YAKUMA
2009/08/17 22:33
YAKUMAさん、コメントありがとうございました。
イネがそろそろ稔り出した田園はほとんど緑に覆われていますが、ミソハギの花色を配した風景は、この季節にしか見られない特別のものですね。
エフ・エム
2009/08/18 08:10
こんにちは。
ミソハギの詩、何だか共感できました。
あるのが当たり前、なのに注目した事がない花でしたから、じんわりきます。

ニワウルシ、去年の7/17に近所の山で見て、赤い実に驚き名前を覚えたつもりでしたが、「シンジュ」とはまた、とても含蓄がある名前だったのですね。
ミセスサニー
2009/08/18 15:20
ミセスサニーさん、コメントありがとうございました。
秋の彼岸のヒガンバナのようなはっきりした個性がないので、あまり注目されない花かも知れませんね。その方がお盆という雰囲気にあっているような気もします。
ニワウルシという名は具体的でよく分かりますが、ウルシ科ではないので、シンジュの方を好んで使っています。しかし、なぜ神樹なのか、調べてみましたが分かりません。
エフ・エム
2009/08/18 23:18

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