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zoom RSS ベタレインが彩る花色の輝き:マツバボタンとマツバギク

<<   作成日時 : 2009/09/03 19:54   >>

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植物を彩色する色素(植物色素)には、4つのグループがあります。葉緑素、カロチノイド、フラボノイド、およびベタレインです。細胞の中では、葉緑素は葉緑体に含まれ、カロチノイドは葉緑体や他の色素体に含まれています。一方、フラボノイドやベタレインは水溶性のかたちで、液胞に含まれています。

花の色は多くの場合、フラボノイドの一つであるアントシアニン(赤、青、紫など)によって彩色されますが、黄色の場合は、他のフラボノイド(フラボンやフラボノール)またはカロチノイドによっています。たまに緑の花もありますが、その場合の緑の着色は花弁などが葉緑素を含むためです。

アントシアニンは、基本構造の類似した多くの色素の総称です。それぞれの色素は異なる色をもっています。つまり、絵をかくときの絵の具のようなもの。花色に変化を与えるために、花はそれらのいくつか合わせて使うこともあるのです。これ以上のアントシアニンについての解説は、主題が本文から外れてしまいそうなので止めておきます。

花を咲かせる大部分の植物種は、赤、青、紫などに花を彩色するために、アントシアニンを使っています。私たちが、ああ、きれいだなあ、と見とれるような花は、大抵アントシアニンによる彩色です。ウメ、サクラ、バラ、チューリップ、スミレ、ハナショウブ、フジ、ツツジ、アジサイ、ユリ、アサガオ、キク、カトレアなどなど。

ところが、花の彩色にアントシアニンを一切使わない植物種の一群があります。ナデシコ目の中の、ナデシコ科とザクロソウ科以外の植物種のすべてがこれに該当します。ケイトウやハゲイトウ、マツバボタンやハナスベリヒユ(ポーチュラカ)、マツバギク、オシロイバナ、サボテン、ブーゲンビリアなどなど。そろそろヨウシュヤマゴボウの紫の実が目立ち始めましたが、これもアントシアニンの色ではありません。ホウレンソウの根元の赤い色もそうです。

これらの植物は、アントシアニンとは構造の全く異なる色素、ベタレインを使うのです。ベタレインはフラボノイドではなく、アルカロイドの一種です。ベタレインはベタシアニン類とベタキサンチン類の総称で、ベタシアニンは赤色系、ベタキサンチンは黄色系です。

ベタレインによる花色をもついくつかの最もポピュラーな植物の写真を載せてみたいと思います。今回は、マツバボタンとマツバギク。マツバボタン (Portulaca grandiflora Hook.) はスベリヒユ科で南米原産、マツバギク (Lampranthus spectabilis (Haw.) N. E. Br.) はマツバギク科で南アフリカ原産の植物。この色合い、アントシアニンによる色合いと、雰囲気がずいぶん違うように思います。アントシアニンのような多彩でこまやかな色合いはありませんが、その鮮明な原色的な色合いは、花を生き生きと輝かせます。

なお、宮崎大学植物遺伝育種研究室薮谷研究室のホームページ (http://www.geocities.jp/breeding_ivk/yabuken/yabuya.html) の右カラムの「アントシアニンの化学」をクリックすると、アントシアニンやベタレインについての解説を読むことができます。たいへん簡潔に、分かりやすく書かれておりますので、一読をおすすめします。

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いろいろな花色のマツバボタン



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マツバギク



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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは
花の色素の違い、普段あまり考えた事がありませんでした。
自然にこんな鮮やかな色を作り出す植物はすごいですね。
本当に目を楽しませてくれます。
YAKUMA
2009/09/03 22:45
こんばんは(^o^)/
ステキなお花の写真を拝見しました♪♪ふだん何気なく綺麗だなぁと思って見ているお花も、自然のいわれがあるのですね。
私には難しいお勉強をさせて頂きましたm(_ _)m
学生の時に『ばっかくアルカロイド』を習ったのを思い出しました…懐かしいですo(^-^)o
木曜日の帰り道
2009/09/03 23:18
YAKUMAさん、コメントありがとうございました。
本当に植物がどれぞれ独特の花色を作り出すメカニズムには感心します。私もまだいろいろ勉強せねばなりません。
エフ・エム
2009/09/04 07:56
木曜日の帰り道さん、コメントありがとうございました。
色素ということを念頭に、また少し違った視点で花を見ることができました。
アルカロイドは、動物に有毒なものが多いです。バッカクアルカロイドは、非常に恐ろしい毒物ですね。超微量で精神錯乱や死をもたらすそうです。
ベタレインは食用の赤いビートやツルムラサキにかなり含まれています。大丈夫みたいですね。
エフ・エム
2009/09/04 08:15
テルツマさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2009/09/04 08:18
松葉ぼたんは懐かしいです。
みんな松葉ですね^^
最近、ポーチュラカという似た花があります。
姫が知っているのは1番上の松葉ぼたん。
いろいろな花があってビックリです。
これなら松葉ぼたんも安泰だなと思った次第です。
池田姫
2009/09/04 17:13
池田姫さん、コメントありがとうございました。
近頃はハナスベリヒユ(ポーチュラカ)の方がはやりで、マツバボタンの方が少なくなったようですね。私はマツバボタンのほうが好きなんですが。
マツバボタンは夏の花のイメージ。早く出しておかねばと思いました。
エフ・エム
2009/09/04 17:39
色の世界は、とても難しいですね
昔 散々悩まされましたが、未だによく分かりません ベタレインは、馴染みの無い名前です とても勉強になりました
バッカクアルカロイドの名称を、コメント欄で聞くとは思いませんでした 私にとっても懐かしい思い出を沢山含んでいる名前なんです。
yajiro
2009/09/04 22:46
yajiroさん、コメントありがとうございました。
アントシアニンは糖(いろいろです)とアグリコンである色素の本体アントシアニジンから成り、アントシアニジンには基本的な6種のほか、特殊なアントシアニジンが知られています。糖鎖の数と種類の違い、アグリコンの種類の違い、異なるアントシアニンやカロチノイド、フラボンなどとの組み合わせ、液胞内のpHの違い、補色素といわれる物質の違いにより、花色は千差万別。おまけにベタレインの登場。花色の世界は実に奥深いものと思います。
エフ・エム
2009/09/05 08:12
たいへん興味深く読ませていただきました。
といって、よく理解できたわけではないのですが、少なくとも、花の色みが決まるのには、それこそ、いろいろな色素が複雑にかかわることは理解できました。
アントシアニンは野菜・果物など食品でもよく話題になるので聞き慣れていますが、ベタレインというのは初耳だっただけに、勉強になりました。
ありがとうございます。
さとみ
2009/09/06 00:21
さとみさん、コメントありがとうございました。
アントシアニンやベタレインを合成するに至るすべての過程はそれぞれの遺伝子の働き、また、色の発現を抑えたり、増加させたりするのは別の遺伝子、さらに花の異なる場所に色をつけるのも遺伝子の働きなんです。こういった研究はきりがなさそうです。
エフ・エム
2009/09/06 08:30
末摘花さん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2010/05/31 13:08

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