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zoom RSS 「八重」のドクダミ

<<   作成日時 : 2011/06/16 20:53   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 30 / トラックバック 0 / コメント 35

以前、「八重」のドクダミを東京都薬用植物園で見ているので、この植物を興味深く思っていましたが、昨年、近所の方から「八重」のドクダミをいただき、今年も咲きましたので、身近に観察できるようになりました。近頃はブログ巡りをしていると、「八重」のドクダミの記事によく出会います。次第に、家庭の庭を飾る花になってくる気配があります。

ところで、「八重」と括弧付きにしたのは、わけがあります。広辞苑で「八重」を引くと、「花弁が幾片も重なっていること。また、その花。重弁(じゅうべん)」とあります。また「八重咲き」を引くと、「八重、すなわち重弁の花が咲くこと。また、その花」とあります。

もう少し科学的な定義はどうなっているでしょうか。「岩波生物学辞典」には「八重」の項目はありませんが、「八重咲」を次のように定義しています。「『同』重弁花。雄ずい・雌ずいなどの花葉が変化して花弁となる現象(弁化 petalody)によって、本来の花弁数が増加した花をいう」。さらに、東京化学同人版「生物学辞典」では、「八重咲き」を「重弁花ともいう。雄ずいの弁化によって、花弁が通常の数よりも多くなった花」とあります。

ところで、ドクダミでは、白くて、一見花弁に見えるのは苞葉(または総苞片)とよばれ、4枚の苞葉の上は穂になっていて、穂には小さな多数の花が密についています(穂状花序)。一つ一つの花は花被(がくや花弁)をもたず、雄しべを3つ、雌しべを1つもっています。雌しべの子房の中は3室あり、それに応じて先端が3つに分かれています。

「八重」のドクダミの一つ一つの花は、普通のドクダミと何ら変わりがありません。ですから、上記の「八重」や「八重咲き」の定義には当てはまりません。穂を観察すると、苞葉が幾重にも重なっていて、苞葉とその上の苞葉の間に1層の花の層があります。つまり花序が、苞葉・花一層・苞葉・花一層・・・の繰り返しでできているのです。

つまり、「八重」のドクダミは、定義に基づく「八重」に該当せず、「八重」と表現されたのは、4枚の白い苞葉が花弁に見えるためと考えられます。厳密にいうと間違っていても、そのイメージからは、やはり「八重のドクダミ」ということになるでしょうか。いずれにせよ、なかなか味のある新顔です。

なお、昨年6月18日の記事に、苞葉5枚と6枚をもつドクダミの花の写真をのせています。

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「八重」のドクダミ



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普通のドクダミ



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コメント(35件)

内 容 ニックネーム/日時
ドクダミの八重咲解説・・・ありがとうございます。
よくわかった気分です。
小さな花穂をシャープにアップされていて、文章による解説がよく理解できます。
Tatehiko
2011/06/16 21:06
こんばんは
ドクダミの花の解説、ありがとうございます。
図鑑で何となく読んでいるよりも分かりました。
つい先日、わたしも「八重」のドクダミを野原で見つけました。
これ程立派なものではありませんでしたが、私は初めて見たので嬉しかったです。
YAKUMA
2011/06/16 21:13
八重の定義、ありがとうございます。
なんとなく花びらが重なっているようにみえれば
『八重』といってしまう私です。〈(^^ゞ)
私は今年初めてこの『八重』を観ました。
最近急にお目見えですね。
あっこちゃん
2011/06/16 22:00
先生、おはようございます。「八重」の科学的定義と一般の慣用には当然差がありますね。「八重歯」なんて、本当、科学的に考えたらとんでもない口腔学的変異です(笑い)。☆ところで件の「八重」蕺草、私は寡聞にして知りませんでした。出会ったこともなかったです。この植物、幼い頃に嗅いでみたことがあって、いやその強烈な匂いに「毒」とはこういう匂いかと納得したものです。以来触るのも憚られた。それでも、もうお読みかもしれませんが、http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20110614ddm001070108000c.htmで、やはり奥深いこの植物の蘊蓄に触れました。
mnemo
2011/06/17 08:16
Tatehikoさん、コメントありがとうございました。
文章による表現は本来苦手なんですが、コメントいただき、とてもうれしいです。簡明な文章作りを心がけるつもりです。
エフ・エム
2011/06/17 08:31
YAKUMAさん、コメントありがとうございました。
野外でご覧になったとは、興味があります。ときどき、野外でのこの変異体との遭遇の記事を目にすることがありますが、あちこちでこの変異が起きているのでしょうか。それとも、どこかから広まりつつあるのか。私も注意してみたいと思います。
エフ・エム
2011/06/17 08:41
あっこちゃん、コメントありがとうございました。
私もはじめて見たときは、なんの疑いもなく八重の花と思いました。実際に身近に見て、これは花自体の変異ではなく、花序の変異であることに気がついたのです。こういう変異もあるのかと見聞を新たにした次第です。
エフ・エム
2011/06/17 09:33
teddyyさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/17 09:35
kemochimeさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/17 09:36
mnemoさん、コメントありがとうございました。
科学用語には、学術語として作られたものと、一般用語をそのまま利用したものがありますね。科学の苞では、雄ずいや雌ずいが花弁に変化するという、いわゆるhomeotic mutationという現象が知られているので、それに当てはめて八重という語を定義したのだと思います。
八重ドクダミは、花でなく、花序の変異で、いままでほとんど知られていなかった変異ではないかと思います。一般的には、ドクダミの場合、苞葉が花弁に見える(実際、花弁の役割を代行しているのかも知れない)ので、「八重」と思うのは当然でしょう。ここは、科学用語「八重」の定義を拡張して、この新たな現象も含めるようにしたらよいのではないかというのが私見です。
毎日ニュースの記事は削除されたのか、残念ながら見られませんでした。ドクダミは毒ではないと思いますが、あの強烈な匂いは何なのでしょうか。
エフ・エム
2011/06/17 10:59
秋田の地酒えのもとさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/17 11:01
おばブーさんさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/17 11:11
おはようございます。
エフ・エムさんの記事はなるほどと学ぶことばかりです。
かなた
2011/06/17 11:16
かなたさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
記事を見て下さってとてもうれしいです。
エフ・エム
2011/06/17 11:21
茨城からはるばる関西までようこそいらっしゃいました。
気持ち玉を有難うございます、山歩きと野に咲く野草が好きでその写真を載せていますが最近は寄る年波か?
膝の調子が悪く次の日曜日にもお誘いが掛っていますが遠慮いたしました。
私のブログには今まで自分だけで読んでいた万葉集を私なりの解釈を載せて居ります厳密な意味での文法は無視しておりますが良ければ読んで見て下さい。
tabibito
2011/06/17 20:41
ケロ太さん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/18 07:56
nonaさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/18 07:57
tabibitoさん、はじめまして。コメントと気持玉をありがとうございました。
貴ブログの新しい記事を拝読させていただきました。とても美しい写真に感嘆いたしました。万葉集は万葉がな付きで、解釈も素敵です。楽しみが増えました。これからも宜しくお願いいたします。
エフ・エム
2011/06/18 08:12
苞葉が八重のように、沢山あるということですね
本当の花びらのようで、趣がありますね
ドクダミの花自体、初めて見ましたので、勉強になりました。
T&M
2011/06/18 12:52
慶さん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/18 17:42
T&Mさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
ドクダミの苞葉は花弁の代りをして、虫をよんでいるのではないかと推測しています。このにせ花弁の上に、本当の花がたくさんあるのですから、能率的。ドクダミは人でいえば、大したアイディアマンです。一つ一つの花に花弁があるなんて、ドクダミに言わせれば、ばかみたい、でしょうか。
エフ・エム
2011/06/18 17:51
naominさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/18 17:53
totoさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/18 17:54
八重のドクダミ、我が家にも・・
のせようかと、思っていたら、先を越されてしまいました。(笑)
みーたんのブログ
2011/06/18 21:52
hanasakuさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/19 07:39
みーたんさん、コメントありがとうございました。
すみません。
八重のドクダミはブログ巡りでもよく出会うようになりましたので、ちょっと特徴をもたせて書いてみました。
エフ・エム
2011/06/19 07:44
ジュンチーさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/19 08:03
マシュマロさん、気持玉をありがとういました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/19 22:11
hideさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
エフ・エム
2011/06/19 22:12
八重は珍しがられますね。
フツーのだとそこらにわんさかあるのに^^
でもそのうち八重も増えてきたらわかりませんね。
これはまるでホワイトクリスマスのようです。
まだ早いわね。
つまりフツーのドクダミの花に苞葉がミルフィーユされてるってこと?
池田姫
2011/06/20 16:04
池田姫さん、コメントありがとうございました。
姫様も八重ドクダミを撮っていらっしゃいましたね。雨に濡れた苞葉の重なりに風情がありました。
ミルフィーユ、なるほど。花の部分がパイで苞葉がクリーム。そういうことですね。
エフ・エム
2011/06/21 08:18
八重のドクダミは知りませんでした。
ドクダミは薬草でもありますが、私の畑では根強い雑草と化しております(^^;
八重の定義、興味深いですね!
先生の解説でまた一つ勉強になりました。
松の陰
2011/06/22 18:41
黄色いのが雄蕊だったんですね。 
小梨
2011/06/22 23:52
松の陰さん、コメントありがとうございました。
ドクダミは種子よりも地下茎で増えますから、はびこりだすとしつこいですね。八重のドクダミも同じと思いますので、家では鉢に育てています。
苞葉の八重は他にあまり見当たりません。
エフ・エム
2011/06/23 07:57
小梨さん、コメントありがとうございました。
ドクダミの花穂は黄色いという印象がありますね。雄しべの色が主役でした。
エフ・エム
2011/06/23 08:41

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