道草の時間

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zoom RSS 水田のほとりの準絶滅危惧種;コイヌガラシとカワヂシャ

<<   作成日時 : 2012/06/09 14:53   >>

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入梅前の水田の風景は何とも言えぬ美しさです。整然と並ぶ苗の一筋一筋がこの風景を作り出す要素です。こんな風景は世界広しといえども、わが瑞穂の国でしか見られないでしょう。毎年この季節には、水田のほとりを散歩をします。

そして先日6月2日、数年来見ていなかったコイヌガラシ (Rorippa cantoniensis (Lour.) Ohwi) を数本見つけました。東アジアに分布するアブラナ科の1年草ですが、日本では環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されています。

コイヌガラシは弱々しく、見映えのしない小さな植物です。被写体としても写真写りがよくありません。はっきりした写真が撮れなかったので、昨日もう一度撮影を試みるべく、この植物があった場所を訪れてみました。ところがなんと、ここはすっかり草が刈られて、コイヌガラシのすがたは消え失せていたのです。

どこかほかにと、あちこち探してみました。そして幸いに、田の横の細い側溝のへりに2本のコイヌガラシを見つけ、なんとか写真を撮ることができました。この2本には、刈られることなく、種子が成熟するまで生き延びてほしいものです。

もう一つの準絶滅危惧種カワヂシャ (Veronica undulata L.) はアジア温帯に分布するオオバコ科(以前はゴマノハグサ科)の越年草です。この植物もこのあたりに見られますが、年々少なくなって行くようです。昨日の散歩で見られたのはわずか2個体でした。見るからに絶えてしまいそうな貧弱な個体です。

しかも、カワヂシャを圧倒しつつあるという環境省による特定外来生物オオカワヂシャ (Veronica anagallis-aquatica L.) らしい植物を附近に見つけました。オオカワヂシャはカワヂシャの近縁で、カワヂシャと容易に交雑し、雑種(ホナガカワヂシャ Veronica x myriantha Tos. Tanaka)をつくるということです。見つけた個体はオオカワヂシャかホナガカワヂシャか、どちらか分かりませんが、カワヂシャとは明らかに違います。一応オオカワヂシャとしておきます。撮影のあと、抜き捨てておいた方がよかったかなと今思っています。

カワヂシャとオオカワヂシャに関しては、2008年にもブログに載せています(「がんばるカワヂシャ」

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梅雨入り前の水田の風景



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コイヌガラシ


コイヌガラシは近縁の普通種イヌガラシとスカシタゴボウと同じような場所に生えるので、それらに紛れて見落としがちです。比較のため、両種の写真を載せておきます。なお、イヌガラシの写真は以前ブログに使ったものの再録です。

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イヌガラシ
(Rorippa indica (L.) Hiem)



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スカシタゴボウ
(Rorippa palustis (L.) Besser)



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カワヂシャ

葉のふちにはっきりとしたぎざぎざ(鋸歯)があるのが特徴
花は小さくて白っぽい



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オオカワヂシャ

葉のふちにぎざぎざがないか、
あっても目立たない
花ははっきりしたうす紫




メモ:「植物和名索引(草本)」「同(木本)」「昆虫名索引」追加・更新 (6/6)。

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コメント(33件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは
田植え前後の水田の風景、素敵ですよね。
この辺りには数は少ないですが、少し足を伸ばせば見ることができます。
貴重な水田雑草、なくなることがないことを祈ります。
YAKUMA
2012/06/09 22:26
yasuhikoさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/06/10 19:55
kemochimeさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/06/10 19:56
YAKUMAさん、コメントありがとうございました。
水田のほとりや畔に生える雑草でも貴重なものがありますが、維持するのは非常に難しい場所ですね。そちらにもまだあるということはありがたいですが、やはり人為的な保護が必要かもしれません。
エフ・エム
2012/06/10 20:05
今日はたまたまつくばエクスプレスに乗りました。
車窓から見える守谷の辺りは意外に水田がたくさんあって緑が美しく輝いていました。こちらより田植えが早いようです。
当地では水田の多くは田植えも稲刈りも機械、畦は農薬除草で、昔の家族揃っての田植え風景はもう見られません。
畦の除草剤を嘆きながらも、私もコイヌガラシやカワヂシャについて全く知りませんでした。
やはり教育と保護が必要かと思います。
夕菅
2012/06/10 23:25
こちらも、水田に水が入り、綺麗に田植えがされています。夕方過ぎるとカエルがにぎやかく、まだまだ、昔の田んぼの風景が残っていますが、あと何年、この景色が続くのでしょう…。
コイヌガラシの事、初めて知りました。見落としているかもしれません。一層、目を皿のようにして観察しなくては(^_^)vカワヂシャも綺麗なかわいい花ですね。こちらも探してみますわ。そうなんですよね。ひどい時には朝見て、帰り路じっくり写そうと行って見ると草刈りされていたりして、がっくりきます。仕方ないんですけどね。(^_^;)でもかなりがっかりしますよね。
よしこ
2012/06/11 13:58
カワジシャは地味な植物ですが、オオカワジシャの花は大き目でとても奇麗ですね。
一度写真を撮ったことがあります。

イヌガラシはよく見かけますが、可愛い名前の子犬ガラシと言う植物は知りませんでした。
水田雑草の類はほとんど目にする機会がありません。
大きくて奇麗なものはどんどん増えて、このような地味なものは弱いのでしょうか。
絶滅する前に、出会ってみたいです。
とんとん
2012/06/11 22:05
えのもと@秋田さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/06/12 08:12
ジュンチーさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/06/12 08:13
hideさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/06/12 08:14
夕菅さん、コメントありがとうございました。
つくば方面にお出ででしたか。
TXが開通して以来、守谷は東京に出るのに大変便利になりました。ほとんど東京の近郊という感じになりましたが、利根川に添う遊水池には自然林があり、また小貝川沿いには田園が広がっていて、けっこういろいろな植物が見つかります。山や渓谷の植物はないですけれど。
農道や畔の雑草は、イネの病害や虫害の原因をつくりますから、除草は当然なことですね。こういう環境に育つ植物も別途保護する手段としては、湿地の保全が大切な気がします。
エフ・エム
2012/06/12 08:37
よしこさん、コメントありがとうございました。
昔は夕方になると田圃ではうるさいぐらいカエルが鳴いていましたね。そちらではいまもにぎやかですか。
田圃のカエルではないけれど、先日林の湿地にアカガエルを見つけました。久しぶりでした。
コイヌガラシはイヌガラシやスカシタゴボウと同じ環境で生長しますから、見過ごしてしまいがちです。でも、葉の付け根に実が一つずつついていますから、見分けは簡単です。
田のへりの草は刈らねばならないので仕方ないですが、目を付けている植物がなくなるとがっかりしますね。
コイヌガラシは利根川の河川敷でも見たことがあります。田のへりよりむしろ、こういう場所の保全が必要と思います。
エフ・エム
2012/06/12 08:59
とんとんさん、コメントありがとうございました。
オオカワヂシャはきれいなんですが、カワヂシャと交雑するのが困りますね。雑種のホナガカワヂシャはオオカワヂシャの方に似ているようですね。カワヂシャを見つけるとうれしくなりますが、どのくらい続くことやら。
コイヌフグリはなかなか見つからないけれど、きっとそちらにもあると思います。田んぼでなくても、河原などにはどうでしょうか。
エフ・エム
2012/06/12 13:09
しばらくです。カワジシャ系はいい花色ですね。先日信州の
山麓で黄花を見つけました。イヌガラシかなと思ったのですが、今日拝見したら葉形が違うのでどうも別種のようです。
目黒のおじいちゃん
2012/06/12 15:23
オオカワヂシャってそんなに悪そうなやつには見えませんけどね、紫だし。でも大きいですね!
そこにいくとカワヂシャは楚々とした佇まい。これは守ってやりたくなりましょう。
スカシタゴボウ?なんとお洒落な名前。キザなやつみたい。


池田姫
2012/06/12 16:57
昨年こちらでもオオカワヂシャと思われるものを見つけました。背丈は1mくらいもあって群落を作っていました。カワヂシャも一度見てみたいものです。
winning-field
2012/06/12 18:52
田んぼの風景、まさしく日本の原風景ですよね。
この風景を見ながらそばを歩くのが大好きです。
きっとそのとき、出会っている草たちでしょうが
今までその名前を知る好もなく。。。
今度、注意してみてみましょう!!
あっこちゃん
2012/06/12 22:56
目黒のおじいちゃん、コメントと気持玉をありがとうございました。ご無沙汰しておりますが、貴ブログにて、いろいろな植物を興味深く拝見しております。
派手なオオカワヂシャと地味な日本のカワヂシャ、それぞれに特徴がありますね。でも可憐なカワヂシャが純系を保てるよう、オオカワヂシャには少し遠慮して欲しいものです。
イヌガラシに似た植物はいろいろあるのでしょうね。私も注意して見たいと思っています。
エフ・エム
2012/06/13 07:20
池田姫さん、コメントありがとうございました。
オオカワヂシャとカワヂシャでは、きれいさからいえばオオカワヂシャに軍配があがりますが、やはり可憐な在来種カワヂシャの方が好きです。葉のぎざぎざもいいですね。
スカシタゴボウ、なるほどすかした(きどった)ごぼうとよむと、キザですね。
エフ・エム
2012/06/13 07:29
winning-fieldさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
オオカワヂシャは河原に大きな群落をつくる傾向があるようですね。それほどではありませんでしたが、利根川の近くでこの植物をかなりみました。カワヂシャの生息地にはなるべく入らないでほしいものです。
エフ・エム
2012/06/13 09:19
かなたさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/06/13 09:20
I子さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/06/13 09:21
あっこちゃん、コメントありがとうございました。
この季節の水田はたいへん美しいですが、季節の流れに沿ってすがたを変えて行く様子や、移り変わって行く水田の雑草を眺めるのもおもしろいですね。
エフ・エム
2012/06/13 09:27
カワヂシャや、オオカワヂシャは、姿も名前も初めて知りました。つくづく、まだまだ知らないことだらけだと感じます。花はオオイヌノフグリに似ているけれど、違う科になったのですね。
容易に交雑するものは、性質がわるいですね。植物そのものに罪はないのだけれど。。。
ケロ太
2012/06/13 21:04
totoさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/06/14 07:16
彩さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/06/14 07:17
ケロ太さん、コメントありがとうございました。
オオカワヂシャはよく目立つ植物で、だんだん広がってくる様子でちょっと不気味です。まだ見られないところもあるかもしれません。コイヌガラシの方は交雑する外来種はないので、多少は安心していられます。
オオイヌノフグリもカワヂシャなどと同属で、新しい分類ではオオバコ科になっています。簡単ですがこのことに触れた記事を書いたことがあります。
http://michikusanojikan.at.webry.info/200902/article_8.html
エフ・エム
2012/06/14 07:28
なーさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/06/14 08:29
私も田植えが終わった水田の美しさに感動しています。
まっすぐに植えられた苗を見ていると 私も気持ちまでシャキとしてきます。
「雑草」とかたづけている植物もよくみると美しい花をつけていますね。エフ・エムさんだから気づかれるのでしょうね。
こうやって教えていただくと 違いがわかるような気がしてきます。オオカワヂシャやカワヂシャを見たことがあるような気もします。見ても気に留めずに流しているのでしょうね。
いろいろ考えさせられます。ありがとうございます。
生駒の風
2012/06/14 11:34
生駒の風さん、コメントありがとうございました。
今日も少しばかり水田のほとりを歩いて来ました。やはりこの季節には自然に水田に足が向いてしまいます。今、田の中にはオタマジャクシが一杯、畔には小さなカエルが跳び回っていました。一時のような強い農薬が使われなくなったからでしょうか。カエルは増えてきたように思います。
田のほとりの雑草も季節ごとに違うので、それを追って行くのも楽しみです。絶滅危惧種は別として、刈られても刈られても、根強いものです。
エフ・エム
2012/06/15 17:15
小梨さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/06/17 12:45
松の陰さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/06/28 07:26
おばブーさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/07/09 09:04

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