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zoom RSS ヘクソカズラの臭い話

<<   作成日時 : 2012/09/02 11:26   >>

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ヘクソカズラの悪臭はずいぶん昔から知られているらしい。万葉集にはヘクソカズラをよみ込んだ歌が1首あります。

菎莢(かはらふじ)に延(は)ひおほとれる屎葛(くそかずら) 絶ゆることなく宮仕えせむ (万葉集 巻16 3855)

「かはらふじ」は、ジャケツイバラまたはサイカチのこと、「くそかずら」はヘクソカズラのことと考えられています。高宮王(たかみやのおおきみ)の歌で、「カワラフジにまといついてひろがり乱れている屎葛のように、絶えることなく宮仕えしよう(桜井満訳 万葉集 旺文社文庫)」という意味。とげとげのジャケツイバラも感じのわるい木ですが、それにからみつくヘクソカズラ、なにか異様な宮仕えの様子です。高宮王の系譜は不明とのこと。

このように、ヘクソカズラは万葉の時代にはクソカズラであったのですが、後世ご丁寧に「ヘ(屁)」まで付いてしまいました。ヘクソカズラの別名は、ヤイトバナおよびサオトメバナ。ヤイトバナは花の中央の濃紫色の部分が灸(やいと)のあとのように見えるから、サオトメバナは花の可憐な姿から名付けたものでしょうか。でも私はやはりこの植物は、万葉のクソカズラに由来する名、ヘクソカズラとよぶべきと思い、これが標準和名であることに賛同します。

ヘクソカズラの学名は外国では Paederia foetida L. を使っていますが、日本ではP. scandens (Lour.) Merr. を使うことが多いようです。属名のPaederiaはラテン語の paedor(悪臭、汚物)に由来し、種名 foetida は「悪臭のある」という意味。そこまで言わなくてもという感じですが。因に scandens はよじ登るという意味。つまり「よじ登る悪臭」ですか。

ヘクソカズラの標準的な英語名は スカンクヴァイン (skunk vine)、スカンクのような臭いの蔓草ということです。ヘクソカズラの悪臭は組織を傷つけた際に化学反応によって生じるメタンチオール(メチルメルカプタン)によっており、動物の糞や屁の臭い成分にも含まれるものです。スカンクのスプレーの強烈な臭いは、メタンチオールによるものではないようですが、やはりチオール基(メルカプト基)を含む化合物が主成分になっているということです。
http://chemeducator.org/sbibs/s0004002/spapers/420044ww.htm

ヘクソカズラの原産地はアジア温帯および熱帯です。合衆国には繊維植物の候補として1897年以前に輸入されたが、現在はフロリダ州で野生化し、在来種を危険にさらすことが危惧されています。
http://www.invasive.org/browse/subinfo.cfm?sub=3059

臭い記事になりましたが、ヘクソカズラの花はなかなかきれいです。よく見るといろいろな変異があることにも気付きます。最近撮った画像を並べておきます。

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追加 (9/7): 花の中の紫色の薄いものを見つけましたので追加します。

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コメント(44件)

内 容 ニックネーム/日時
我が家にも『ヘクソカズラ』が巻き付いて可憐な花を咲かせております。
そうなんですか、そんな万葉集の時代から読まれていたのですね。
かわいそうな名前ですがヤイトバナやサオトメバナと言う名前が根つかないのは『ヘクソカズラ』に知らないうちに好感を持っているからかもしれませんね。
かわいそうな呼び名よね・・・って愚痴りながらも
やっぱりヘクソカズラですもの。
あっこちゃん
2012/09/02 14:27
ヘクソカズラはもう、万葉集の頃からそう呼ばれていたのですね。
あの臭いがメタンチオールに因るものならそういわれてもやむを得ないとは思いますが、やはり、レディたるもの(?)、人前で発音しづらい名前ですね(笑)。
うちの庭にも次々生えて来ます。花は困り者ですが、ここの「ヘクソカズラ」は4枚目の花に似ています。中2種のようなタイプはまだ見たことがありまえん。
夕菅
2012/09/02 18:15
万葉の頃は、クソカズラと呼ばれていたのですね。
花の綺麗さと名前のギャップがすごいですね。
家の近くにあるヘクソカズラは、1番目の花に似ています。
みーたん
2012/09/02 22:28
一度花を鼻に近づけたとき、吐き気がする様な嫌な匂いがして、それ以来見るだけにしています。
クサギの葉なんか、臭いうちに入りません。^m^

時々ハッとするほど奇麗な花弁のヘクソカズラに出会いますが、一枚目の切れ込み、見たことのない精巧な美しさです。
二枚目、これも驚きです。見たことがありません。
四枚目が優等生というか、整った姿ですね。
秋の赤銅色に輝く実の色もとっても素敵ですね。
とんとん
2012/09/03 11:31
雑草園の我が家にはもちろん常連の花ですが、
こんなに変異があるとは!とても面白いです。
ぜひじっくり眺めてみることにします。
いつも根を掘ったり、ツルを退治したり、
無駄な努力もしていますが、
こんな名前がつくほどにおいが気にならないのは
私だけなのかも、かなり不安になりました。
ミセスサニー
2012/09/03 12:44
eijiさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/03 15:08
あっこちゃん、コメントありがとうございました。
ヘクソカズラだのスカンクヴァインだの、気の毒な名が付いていますが、やはりこの名のためにこの花がよく知られているのだと思います。名と花の感じにギャップがあるところもおもしろいものです。やはり古い名には意味はどうあれそれだけの重みがありますね。サオトメバナはいかにも軽っぽい感じがします。
エフ・エム
2012/09/03 16:19
名前を見るだけでも強烈ですね
ニンニクカズラを知った時、びっくりしましたが、これは葉を揉むと少しニンニク臭かったです、が、これをはるかに凌ぐウワテがいたのですね
それにしても植物が、動物の糞や屁の臭い成分と同じ成分を作るようになったのも不思議です。
植物自体、臭覚がないのに、なぜ嫌な臭いと判って作り始めたのでしょう。
自然の進化の過程はミラクルですね。
自分は、ヘクソカズラにはお目にかかった事無いので、後学のために嗅いでみたいですね・・・やめた方がいイイ
花は可憐なので一層驚きです。
T&M
2012/09/03 16:30
夕菅さん、コメントありがとうございました。
ヘクソカズラは今はその意味を意識しなくても、ヘクソカズラなんですね。サオトメバナとか言われてもぴんときません。もっともヘクソカズラの品種や変種にヤイトバナとつくものがあり(アケボノヤイトバナ、ビロードヤイトバナなど)、これらは命名者があえてヘクソカズラの名を避けたのでしょうか。人には好みがありますが、どうせならヘクソカズラで統一してもらった方がややこしくなく、よかったのではないかと思うのですが。
以前から気が付いてブログに出したこともありますが、ヘクソカズラの花は意外に変異があります。
エフ・エム
2012/09/03 16:42
山ちゃん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/03 16:45
yasuhikoさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/03 16:46
hideさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/03 21:08
みーたんさん、コメントありがとうございました。
リアルな名称と花の様子とのギャップがまさにこの植物の特徴を表していますね。
ごく普通の花なので、花の変異も多いと思い、見回っています。これからも気をつけて行くつもりです。
エフ・エム
2012/09/03 21:13
かなたさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/03 21:14
翠弘舎さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/03 21:15
とんとんさん、コメントありがとうございました。
あの臭いはかなり強烈ですね。チオール化合物は、人が感じる悪臭の最たるものと思います。危険感知のため都市ガスにはチオールを含む物質を混ぜてあるそうです。
花は小さいですが、とてもきれいですね。花色の変異には以前から気付いていて、ブログに載せたことがありますが、花のかたちにもいろいろ変異があることがわかりました。
秋の実も風情がありますね。
エフ・エム
2012/09/03 21:36
こんばんは
ヘクソカズラ、
そんなに古くから、名がついていたのですね。
確かに由緒ある名は大切ですね。
色々と名がありますが、すっきりしました。
YAKUMA
2012/09/03 21:42
ミセスサニーさん、コメントありがとうございました。
今、ヘクソカズラがよく咲いていますね。しばらくは見られると思うので、さらに花のかたちや色の変異の観察を続けるつもりです。色については、広がりや濃淡には変異がありますが、質的には皆同じようです。質的に違うものが見つかるとおもしろいのですが。
臭いに関しては、気になる人とさほどでもないという人がいると思います。私はやはりヘクソカズラの臭いを強く感じますが、カメムシの臭いがあまり気にならないのです。
エフ・エム
2012/09/03 21:48
T&Mさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
ニンニクカズラの臭いは知りませんが、ニンニクそのものもそんなに強烈な匂いではないですね。しかも悪臭でなく、いい匂いです。もっとも、たくさんニンニクを食べた翌日に出る息はあきらかに悪臭ですが。
ヘクソカズラの臭いは最初から悪臭であるところが、ニンニクと違うのですね。(なんのこっちゃ)
ヘクソカズラは嗅覚がないのに、臭い物質チオールを生産して天敵を防衛する能力をもつのか、不思議ですね。臭いを意識しないまま、たまたまこの物質を作ってみたら、天敵に食われないようになった?
エフ・エム
2012/09/03 22:20
ヘクソカズラの伝統ある名前に賛成という意見、私の意見とも合っていて嬉しく思います。
花にこんなに変異の在るのは気付きませんでした。
tabibito
2012/09/04 09:21
おはようございます!
可愛そうな名前の代表選手みたいな「ヘクソカズラ」ですね。
そのほかにも 可愛そうな名前といえば、「ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)」が真っ先にうかびます。
「まぁ、なんてひどい!」と思いました。

「ヘクソカズラ」の花は 可愛らしいですね。
さすが、エフ・エムさんですね。こんなに花の変種があることに気づきませんでした。
写真を拝見しながら 改めて可愛い花だと思いました。
生駒の風
2012/09/04 10:32
ヘクソカズラへの名前の付けようはひどい感じもしますが、あの匂いを嗅いでしまうと名前も納得という感じですね。
とはいえ自らを防衛するために強烈な匂いを作るとは植物の可能性や奥深さを感じさせてくれますね。
花の変異に着目されるところもさすが先生です。
匂いは強烈ですが、繊維植物としても考えられていたんですね。でも米国で野生化して在来種を脅かすとはやはり簡単に移植することの危険も教えてくれそうです。
普段はあの匂いで毛嫌いされるだけの植物ですが、いろんなことを教えてくれるように感じます。
松の陰
2012/09/04 22:06
ヘクソカズラ・・・花の顔に見合わぬ名前を付けられていますが、今元気ですね。
街路のフェンスや道路と畑の境界の杭などに、しっかり風景を演出していますね。
Tatehiko
2012/09/05 08:19
ヘクソカズラ、小さな花で綺麗ですね。
濃い紫の種類今度探してみます。
昨日フタモンウバタマコメツキを見つけた
のでヘクソカズラの花と一緒に撮って見ま
した。臭い匂いがしますがチョウやガ、
ハチ達にはこの匂いがたまらないのでしょ
う大人気です。
ツユヒメ
2012/09/05 08:43
YAKUMAさん、コメントありがとうございました。
ヤイトバナというのも感じのいい名ではないですね。サオトメバナというのも根拠がなさそうです。やはりヘクソカズラは伝統的だし、つよい印象をあたえますね。
エフ・エム
2012/09/05 10:54
tabibitoさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
私の考えに賛同いただき、ありがとうございました。
花には変異がありますが、今日の散歩では、とくに変わった花には出会いませんでした。
エフ・エム
2012/09/05 10:57
生駒の風さん、コメントありがとうございました。
ヘクソカズラはあの臭いから確かな根拠があるのですが、ママコノシリヌグイはひどい名ですね。別名のトゲソバを使う方がまだましかもしれません。
ヘクソカズラの花はほんとに可憐で美しいです。あの臭いとなギャップはなんとしたものでしょうか。
エフ・エム
2012/09/05 11:21
えのもと@秋田さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/05 11:22
kazukunさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/05 11:23
松の陰さん、コメントと気持玉をありがとうございました。
ヘクソカズラは葉をみると比較的虫の食害を受けていないように見えます。臭い物質を防御に使っているとは大した知恵ですね。在来種の中では自然の中で繁栄している植物ですが、この強烈な臭いも、その生命力を支える一因になっているのでしょう。
人間からも敬遠されることは、植物にとってはいいことかもしれません、
エフ・エム
2012/09/05 11:59
I子さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/05 12:44
勿忘草さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/05 12:45
Tatehikoさん、コメントありがとうございました。
普段はあまり気にもかけないのですが、そのつもりで探してみるとあちこちに絡み付いているのが見つかります。いまが花の盛りみたいですね。実に元気な植物、フェンスに絡み付いているものなどは、いい構図で写真に撮れるかもしれませんね。
エフ・エム
2012/09/05 12:50
ツユヒメさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
フタモンウバタマコメツキの記事を拝見してきました。渋いコメツキですね。もっともコメツキはたいてい渋いですけど。
ヘクソカズラの花にきたのかと思いましたが、そうじゃなくて構図へのコラボだったのですね。
ヘクソカズラにくる虫、一度調べてみたいです。葉を食べる虫も。「蓼食う虫」でなくて「屁屎葛食う虫」はどんな顔をしているのか。
エフ・エム
2012/09/05 13:03
名前がかわいそうな花の代表のように言われますが、私もヘクソカズラでいいかなと思います。もうこれで、かわいい花も匂いも一つのものって思います。それにしても様々な花があるんですね。こんなに違いがあるとは思いませんでしたので、びっくりしました。
そうそう、今年は、実のなるヤブガラシ、豊作ですよ。色が黒くなったらまた、写しにいきたいと思います。
よしこ
2012/09/07 17:12
よしこさん、コメントありがとうございました。
ヘクソカズラはたしかに花にとっては気の毒な名ですが、かえってこの名で人々の注目を集め、花の美しさに気付くのではないかと思っています。花はちょっと見ると一様に見えますが、意外にバラエティーに富んでいるのですね。まだまだ変わりものがあるかと、探しています。
実のなるヤブガラシは興味があるのですが、このあたりでは見つからないです。記事を楽しみにしています。
エフ・エム
2012/09/08 07:20
万葉集にヘクソカズラが登場しているとは知りませんでした。一瞬、宮仕えがさほどに忌み嫌われていたとは面白いと誤解しましたが(私情を投影したのか・笑)、確かにヘクソカズラは強烈な繁殖力・・「絶えることなく」を導くのがよく分かります。
花にもいろいろあるのですね。勉強になりました。ありがとうございました。
703
2012/09/08 22:42
703さん、コメントありがとうございました。
高宮王という人は歴史上の人物としては不明のようですが、トップにたつ天皇や上皇と近縁の方なんでしょう。仕える人とは冗談を言い合えるような間柄という印象をうけました。今で言えば「腐れ縁」というところでしょうか。
ヘクソカズラの花はいろいろ違っていますが、臭いの方はどうでしょう。調べるのはちょっとたいへんですね。
エフ・エム
2012/09/09 12:01
小梨さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/09 12:44
ケロ太さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/09 12:49
ご無沙汰しています。
我が家の庭のフェンスにもヘクソカズラが絡みついてます。可愛い花なのでそのままにしていたのですが、ウジャウジャと伸びてきてお隣にまで進出、すごいことになってきたので処分しました。でも、まだ残ってます。
winning-field
2012/09/10 19:59
winning-fieldさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
事情があって、しばらくパソコンを休んでおりました。ご返事が大幅に遅れて申し訳けありません。
ヘクソカズラも庭に生えたのを放っておくとたいへんなことになりますね。地面に深く根を降ろしているので、退治するのも大変です。野原で花を見るのは楽しいですけど。
今はもう実がなっていますね。これもまた風情があるのですが。
エフ・エム
2012/09/28 23:13
おばブーさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/28 23:19
末摘花さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2012/09/28 23:29

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