道草の時間

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zoom RSS 蕪村:タンポポとナズナ

<<   作成日時 : 2013/03/31 08:09   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 25 / トラックバック 0 / コメント 23

君あしたに去ぬゆふべのこころ千々に
何ぞはるかなる

君ををもふて岡のべに行つ遊ぶ
をかのべ何ぞかくかなしき

蒲公(たんぽぽ)の黄に薺(なづな)のしろう咲たる
見る人ぞなき

・・・・・・・・・・・・

これは与謝蕪村の著名な「北寿老仙をいたむ」と題された詩の前半ですが、江戸時代に作られたとは思えないモダンで新鮮な感じがします。蕪村のずっと年上の友人で、亡くなった北寿老仙すなわち俳人早見晋我(しんが)を追悼する詩です。詩の中で、タンポポやナズナに蕪村は晋我への思いを託しています。

今は春の道ばたや野に彩りを添える帰化植物のオオイヌノフグリやヒメオドリコソウのなかった時代ですから、タンポポやナズナは今よりもっと目立つ野草だったかも知れません。「見る人ぞなき」タンポポにナズナ、晋我は生前、こんな野の花を好む人だったのでしょうか。

画像

カントウタンポポ



蕪村は摂津生まれの関西人なので、カンサイタンポポを載せるのが本筋だと思ったのですが、こちらは関東なので、カンサイタンポポはありません。ところが、調べてみると、蕪村は若い頃江戸に下り、絵画と俳諧を修行しています。「北寿老仙をいたむ」は、いつ作られたものか正確には分からないようですが、晋我が亡くなって間もなくの29歳のときの作との説が一般的なようです。晋我は、下総結城の人で、この頃は蕪村も結城に逗留していたようです。ですから、この詩に詠み込まれているタンポポはカントウタンポポでいいと思います。

ついでながら、「やぶ入や浪花を出て長柄川」で始まる蕪村の詩「春風馬堤曲」には、

・・・・・・・・・・・
春艸路三叉中に捷径あり我を迎ふ
たんぽぽ花咲り三々五々五々は黄に
三々は白し記得す去年此路よりす
・・・・・・・・・・・

と、ここにタンポポが現れますが、こちらはカンサイタンポポとシロバナタンポポの2種と解釈しています。

画像

画像

ナズナ



やはり蕪村の句に「妹が垣根三味線草の花咲きぬ」がありますが、蕪村でなくても、ナズナには懐かしみを感させる草です。しかし、この雑草、なかなかいい写真が撮れません。

画像

ついでにタネツケバナ



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コメント(23件)

内 容 ニックネーム/日時
冒頭の詩、明治時代の誰かの作かと思いました
ひっそりと咲く情景がよく感じられます
ナズナ、こんなに群生してるのは見たことがないので、見応えありますね
花が小さいので、アップ撮影は苦労されたでしょうね
T&M
2013/03/31 12:46
寄せて頂きました。ナルホド関東タンポポは茎が太いですね、それでゴツク感じるのかな?
江戸時代の野原は随分と今とは違ったものでしょうね、ましてや万葉時代は如何に?
万葉歌をやっていても中々想像できないところが有ります。
tabibito
2013/03/31 14:07
与謝蕪村といえば俳句のみかと思っていましたが、こんな近代詩(?)もあるのですね。
晋我さんが亡くなられたのが75才、その時蕪村29才とするとお二人の間には師弟関係というより、年齢差をこえる心の交流があったのでしょうね。
この詩の続きを読みながら、お二人で身近な野の花や鳥を観察されたのかと勝手に想像しました。
夕菅
2013/03/31 18:29
こんばんは
本当に、今では普通に見られるオオイヌノフグリなどの花がなかった時代の春を見てみたいですね。
やっぱりタンポポは今よりも目立っていたのでしょうね。
YAKUMA
2013/03/31 22:25
園芸品の草花やも多くなく、遊山で木に咲く花も愛でられない人々もいた時代、野に咲く野草は今以上に心の慰めになっていたのではと思っていましたが、>見る人ぞなき、なのですね。
それとも、見る人とは早見晋我のことを差してしているのでしょうか。
どうも文才が無くて読み解けません。

タンポポはいいですね。
タンポポのない世界なんて想像できません。
とんとん
2013/04/01 09:47
>見る人ぞなき<たんぽぽの存在だったのですね。
今でこそ、この春は雑草の花から園芸種の花から
咲き乱れて私たちの目を楽しませてくれています。
それでもあんなに黄色くて目立つはずなのに
畦道や土手の片隅に這いつくばって咲いているたんぽぽは今でも>見る人ぞなき<ようにひっそりと咲いています。
あっこちゃん
2013/04/01 10:29
T&Mさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
この詩は明治に始まった新体詩に入れても引け劣らないものと思います。とても新鮮ですね。
ナズナはどこにでも咲いているのですが、なるべくかたまってさいているのを見つけようと歩きました。まあ、こんなところでした。
小さい花は無理にアップしないほうがそれらしく見えるようです。
エフ・エム
2013/04/01 15:27
tabibitoさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
外来種がやたらに入ってきて増えたのと、開発などで人為的に自然を変えてしまったのは明治以降ですから、江戸時代と現代との野の風景の隔たりは、江戸時代と万葉の時代との隔たりより大きいかも知れません。実証はできませんけれど。
オオイヌノフグリ、オオアレチノギク、ブタクサ、セイタカアワダチソウ、セイヨウタンポポ、ヒメジョオン、などなど、日本の野原の風景を変えてしまった植物はずいぶん多いですね。
エフ・エム
2013/04/01 15:43
夕菅さん、コメントありがとうございました。
明治の新体詩の中には、今読んで、古くさい感じのするものが多いですが、蕪村の詩は今でも新鮮さを失っていないような気がします。私は、春風馬堤曲を読んでから、蕪村ファンになりました。蕪村の絵も暖かみがあって好きです。
蕪村に慕われた晋我という人のことももっと知りたいです。
エフ・エム
2013/04/01 15:55
YAKUMAさん、コメントありがとうございました。
オオイヌノフグリは多くの人に好かれる花で、とてもきれいです。あれがないと春の野のイメージが変わってしまいますね。もう今ではなくてはならない存在かもしれません。
今はほとんど四季を通じてセイヨウタンポポが咲いていますが、昔は春だけ見られるタンポポは今より春の象徴という感じだったと思います。
エフ・エム
2013/04/01 16:02
hideさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/04/01 16:03
とんとんさん、コメントありがとうございました。
万葉集にも山野のいろいろな植物を詠み込んだ歌が多いですから、自然の植物を愛でる心は昔からあったのでしょうね。時代が下がるにしたがって、野草や花木をピックアップして栽培植物がつくられてきますが、野の花を愛でる心もずっと続いてきたのではないでしょうか。
「見る人」は、私は晋我の事を言っていると解釈しています。しかし、たしかに人に見られることもない野の草というニュアンスも含まれているようでもありますね。
なにげなく咲くタンポポですが、そこがタンポポのよさでしょうか。
エフ・エム
2013/04/01 16:27
あっこちゃん、コメントありがとうございました。
とんとんさんへのお返事にも書いたように、「見る人」は晋我のことと解釈しているのですが、見られることもない、というニュアンスも含まれているようですね。
たしかに野に咲くタンポポは、意識して見られることは少ないでしょう。なにげなくそこに咲いている、それがいいのですね。
エフ・エム
2013/04/01 16:44
市街地にある私の家のまわりにもたくさん野草が咲きますが、カントウタンポポはまったくありません。10年ほど前にシロバナタンポポが1株だけ道ばたにあったのですが、それも消えてしまいました。今は春の花と言えば、オオイヌノフグリやヒメオドリコソウ、そして最近ではハナニラなども盛んに咲いています。また10年くらいあとになると、帰化植物の盛衰にともなって花の種類も変わっていくのでしょうね。
宮城野
2013/04/07 05:08
えのもと@秋田さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/04/08 15:46
ケロ太さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/04/08 15:47
かなたさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/04/08 15:48
I子さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/04/08 15:49
彩さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/04/08 15:50
宮城野さん、コメントありがとうございました。
カントウタンポポは少なくなりましたね。このあたりではなんとか存続していますが、やはりセイヨウタンポポが圧倒的に多いです。後者は群生していて、見た目にはきれいですが。
ハナニラはぐんぐん増えているような気がします。一時、ナガミヒナゲシがすごい勢いで増えていましたが、近頃は落ち着いたような気がします。栄枯盛衰、野草の世界は変転極まりないですね。
エフ・エム
2013/04/08 15:56
野草も年々帰化植物が増えて様変わりしていますから、昔の風景とは激変なのでしょうね。
私の畑にもナズナやタンポポは生えていますが、近年ヒメオドリコソウがすごい勢いで増えつつあります。
生えている草の様子が違うことも想像しながら過去を思うのも正確な歴史を知ることができるように感じておもしろいですね。
松の陰
2013/04/08 20:33
松の陰さん、コメントと気持玉をありがとうございました。
数十年という経過でなく、わずか十数年、あるいは数年で、野の花々の盛衰が見られるこの頃です。たとえば新顔のミチタネツケバナは数年前に道ばたに生えていたのをはじめて見たのですが、今は最も普通の雑草の一つです。
ほんとうに、江戸時代にタイムスリップして、その頃の畦道や野原を見てみたいものです。
エフ・エム
2013/04/10 09:45
翠弘舎さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/04/22 08:40

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