道草の時間

アクセスカウンタ

zoom RSS ハナウドに因んで:怖い植物ジャイアントホグウィードのこと

<<   作成日時 : 2013/05/16 09:41   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 34 / トラックバック 0 / コメント 34

mnemoさんから、本記事の中の「ホグウッド(Hogwood)」はホグウィード(Hogweed)の間違いではないかとご指摘いただきました。確かにホグウィードが正しく、お詫びとともに訂正させていただきます。ご指摘ありがとうございました。

この季節の散歩では、白い花を一杯つけたハナウドがよく目立ちます。草丈も結構高いし、なかなかきれいです。ウドとつきますが、ハナウドはウド(ウコギ科)の仲間ではなく、シシウドと同様、セリ科の植物です。

ハナウドの学名はHeracleum sphondylium L. var. nipponicum (Kitag.) H.Ohbaで、ヨーロッパに分布するホグウィード(Hogweed : H. sphondylium L.) の変種ということになります。ハナウドは1メートルほどの高さになりますが、ホグウィードの方は2メートル位になるそうです。属名Heracleum、つまり英雄ヘラクレスを想起させるような植物です。

ところが、もっとものすごい植物がヨーロッパや北米にはあります。その名は ジャイアントホグウィード(Giant Hogwheed: Heracleum mantegazzianum Sommier & Levier)。ロシアのコーカサス(カフカス)地方を原産地とする巨大な植物で、高さ4メートル、葉の巾1.5メートルに達するのだそうです(下記ホームページ参照)。これが北米やヨーロッパに入り、増殖して、凶悪なインベーダーぶりを発揮しているのです。

以下、Michigan Invasive Plant Councilのホームページ上の記事 (http://invasiveplantsmi.org/hogweed/) に従って、この植物について述べてみます。

この植物は有毒物質フロクマリン類をもつ有毒植物です。この植物は茎に毛が生えていて、そこに含まれる汁液が皮膚に触れるとたいへんです。汁液に触れたのち太陽の光に曝されると2、3日後に火傷のような症状や水泡が生じます。またこの液が目に入ると、一時的に目が見えなくなり、あるいは失明してしまうこともあるそうです。この植物の恐ろしさを知らない植物愛好家、ガーデナーや子どもにとっては特に危険です。

この植物は1991年にミシガン州インガム郡のある場所で発見され、現在では合衆国の約30カ所で知られるようになり、その多くはミシガン州アッパー半島西部のゴギービック郡に集中しています。合衆国ではこの植物を外国から国内に持ち込むこと、州を越えて移動させること、売ったり、買ったり、交換または人に渡したりすることを法律で禁じています。

この植物はカナダにも侵入し広がっていることが報じられています。2010年7月のナショナルポストの記事(http://news.nationalpost.com/2010/07/13/giant-weed-that-burns-and-blinds-spreads-across-canada/) では、ニューファウンドランド、ケベック、オンタリオ南西部、アルバータ、ブリティッシュコロンビアですでに見つかり、さらにオンタリオ東部で初めてみつかったと報じ、その恐ろしさを説明し、注意を喚起しています。

北米にはハナタデの仲間の在来種カウパースニップ(Cow parsnip: Heracleum sphondylium L. subsp. montanum (Schleich. ex Gaudin) Briq.)という植物があり、ジャイアントホグウィードは、生育の状態によって、カウパースニップと外形がよく似ています。カナダのGreater Vancouver Invasive Plant Councilの作製したyou tubeがジャイアントホグウィードとカウパースニップの識別法を簡明に説明しています。雄大なジャイアントホグウィードの画像も出てきますので、クリックしてみて下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=sysmrqw4sEo

ヨーロッパでもこの植物の危険性は十分認識されているようです。例えば、GB. Non-Native Species Secretariatの記事(https://secure.fera.defra.gov.uk/nonnativespecies/index.cfm?pageid=152) は、この植物による皮膚炎の生々しい写真を載せています。この火傷のような症状は数ヶ月続き、症状が見た目には消えても、皮膚は何年もの間光に敏感になるそうです。

手元にある植物の図鑑 Oleg Polunin "Flowers of Europe" Oxford University Press にはこの植物がすでに載っていて、アイルランド、イギリス、フランス、オランダ、デンマーク、ノルウェー、スエーデン、ドイツ、スイス、オーストリア、チェコスロヴァキア、ハンガリー、イタリー、ソヴィエトに入っているとありました。この図鑑の発行は1969年ですので、ヨーロッパでは北米よりずっと以前から知られている植物と思われます。

日本は外来植物が絶えず定着する国ですが、生育旺盛なこの植物がまだ入っていないことはありがたいことです。でも、将来、いつ入ってくるか分かりません。この植物のことをよく知り、十分警戒しておく必要があると思います。一度入って繁殖してしまうと、完全な駆除が困難なことは、過去の例にみる通りです。

以下は散歩道で見つけたハナウドの画像です。

画像

画像

画像

ハナウドは今、花盛り

ハナウドにとっても、
ジャイタントホグウィードがいないのは
幸いなことです



にほんブログ村 花ブログへにほんブログ村 花ブログ 季節の花へ

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 34
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(34件)

内 容 ニックネーム/日時
ジャイアントホグウッド:興味深く読ませていただきました。まだ日本にはやって来ていないのですね。
大気が運んで来ることも少なくないでしょうから、こんな記事は大切ですね。
昨日でしたか、かぶれのテレビ放送が蘇って来ました。
Tatehiko
2013/05/16 10:02
こんばんは
ジャイアントホグウッド、すごいものですね。
光線過敏症とでもいうのでしょうか。
これほどの毒性を持った物が侵入してこないことを祈るばかりですね。
YAKUMA
2013/05/16 18:59
巨大なセリ科植物が現存しているのですね。驚きました!
セリ科の植物で食用になるセロリやパセリにも稀にフロクマリン皮膚炎があるようですから、野にあるハナウド・シシウドにも触れない方が無難かもしれませんね。
夕菅
2013/05/16 23:48
すみません。追加させて下さい。
ハナウドも根にフロクマリンが含まれ、その汁がついたところに光があたると反応がおきるようです。
夕菅
2013/05/17 00:21
Tatehikoさん、コメントありがとうございました。
北米でもヨーロッパでも、どうやらこの植物はその雄大なすがたに惹かれて園芸に使ったものが逸出したようです。それを教訓に日本でも変な植物の移入についてはよほど気をつけねばなりませんね。
エフ・エム
2013/05/17 09:25
小梨さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/05/17 09:27
YAKUMAさん、コメントありがとうございました。
ジャンアントホグウッドは上記カナダのナショナルポストの記事では草丈5〜6メートルとあり、イギリスのNNSSの記事には葉の大きさがディナーの食卓のサイズとあります。
いままで、バナナが最大の草本かと思っていましたが、こちらの方が大きいかも知れません。
エフ・エム
2013/05/17 09:38
hideさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/05/17 09:39
夕菅さん、コメントありがとうございました。
セリ科もいろいろですね。小さなセントウソウもあれば、こんな巨大なジャイアントホグウッドもあり、共通の祖先から分かれてきたのですね。恐竜の祖先や子孫のことに匹敵するくらいおもしろいと思っています。
フロクマリンに関することを教えて下さってありがとうございます。ハナウドは同じHeracleumに属するのですから、フロクマリンを持っていて当然かも知れませんが、セロリやパセリもまれに皮膚炎を起こさせることがあるとは意外でした。セントウソウにもあるかも知れませんね。セリ科の共通祖先種がフロクマリンをつくる能力をすでに獲得していたことになりますね。
エフ・エム
2013/05/17 10:00
大きいことはいいことだ〜では無いのですね
ジャイアントと付くだけで凶暴になるとは
最初のHPを見ましたが、まるで大きな木ですね
日本に入って来ないよう祈りたいです
後半のハナウドの可憐な花の写真に救われました
T&M
2013/05/17 12:54
こんな植物が?!あるのですね・・・要注意。

マツバウンラン、我が家にも少し侵入しています。公園で群生を見たことがありますが、割と人気者ですね。ヤマフジはこちらだけなのですね〜分布って不思議です。
ミセスサニー
2013/05/17 21:59
T&Mさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
凶暴なヘラクレスという感じです。ムキムキの英雄が突如変心するとたいへんなことになります。
まるで樹木みたいですが、これが草ですから不思議ですね。
ヨーロッパやアメリカでは知らないで栽培していたものが逃げ出したようですから、注意せねばなりません。
エフ・エム
2013/05/18 08:30
ミセスサニーさん、コメントありがとうございました。
外国では有害であることがよく知られている植物も日本では案外知られていないものも多いのではないかと思います。ジャイアントホグウッドに関する日本語の記事もほとんど見当たりません。
マツバウンランは岡山で初めて見て知りました。群生しているときれいですね。愛好家はいるかも知れません。
エフ・エム
2013/05/18 08:44
テッドさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/05/18 08:45
野に咲く花たちも外来種と知らないで愛でている物がたくさんあるのですよね。
いつの間にか帰化してしまっていて・・・
でもこのジャイアントホグウッドは聞いたことがありません。
出来ればこれいからも日本に侵入してくる事がないように祈りましょう。
あっこちゃん
2013/05/18 21:32
あっこちゃん、コメントありがとうございました。
やはり外国の種でもその性質をよく知っておくことが必要ですね。有害かどうかを。
日本の環境に適した植物だとあっという間に増えてしまって、根絶は困難ということになりやすいです。
エフ・エム
2013/05/19 09:22
ジュンチーさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/05/19 09:23
かなたさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/05/19 09:24
totoさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/05/20 08:11
I子さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/05/20 08:12
こんばんは!
ハナウドの白い花がきれいですね。
散歩しているとダイコンの白い花も見かけます。
薔薇の花のように豪華な花ではないのですが、素朴な花に惹かれます。
ジャイアントホグウッドが日本にはいってきたら、私はすぐに反応しそうです。
私はサクラソウや毛深い植物のアレルギーなのです。
サクラソウみたいな可愛い花にかぶれてはれ上がるなんて 悲しいです。
生駒の風
2013/05/20 21:02
明美歌さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/05/21 09:06
yasuhikoさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/05/21 09:07
生駒の風さん、コメントありがとうございました。
この季節の白い花もきれいですね。ダイコンの花は先日畑に咲いているのを撮ってきました。もうじきウツギが白い花を咲かせますね。
サクラソウにかぶれるという話は聞いたことがあります。とくにオブコニカは注意しないといけないらしいですね。アレルギーをもっておられる方はご苦労があると思います。
エフ・エム
2013/05/21 09:16
なーさん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/05/21 09:17
生育旺盛な植物ですから日本に侵入したら手がつけられなくなる可能性がありますね。
こんな植物が野山に広がったら野山で仕事をする自分としても恐ろしいです。
漆や櫨の比ではないですし、日本に入ってこないでほしいですね。
松の陰
2013/05/22 08:37
松の陰さん、コメントありがとうございました。
ほんとうにこれが日本に入ったらたいへんですね。若いジャイアントホグウッドはハナウドに似ていると思いますので、駆除するにしても、混乱が予想されます。見かけは壮大だからと、安易に栽培すろことは、非常に危険なことですね。
エフ・エム
2013/05/22 12:06
ケロ太さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/05/23 11:39
翠弘舎さん、気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/06/05 19:30
先生、早速バックナンバー拝読にかかったのですが、先生が上の御記事の2〜3パラグラフで書かれていらっしゃるhogwoodという記述ですが、hogweedではございませんか?失礼ながら、念のため確認させていただきたく。拝
mnemo
2013/06/06 15:08
mnemoさん、間違いをご指摘くださいまして、ありがとうございました。
何度も文献を見たのに、思い込みが強く、全く気が付かずにいました。おかげさまで訂正できました。感謝しております。また変なところがありましたら、ご指摘いただきたく、お願いいたします。
エフ・エム
2013/06/06 16:24
気持玉をありがとうございました。
エフ・エム
2013/06/11 14:56
初期ジェネシスのアルバム『怪奇骨董音楽箱( Nursery Cryme)』 (1971年)に
「巨大ブタクサの逆襲(The Return Of The Giant Hogweed)」という曲があります
プログレでありながら攻撃的な曲調と歌詞は一部のハードロックにも影響を与えました
YouTubeで聴けますしぐぐれば和訳なども出てきますのでお試しを
亀吉
2013/08/15 13:08
亀吉さん、大変興味あるお話をありがとうございました。
ミュージックに疎いので、全く知りませんでした。早速YouTubeでご指摘の曲を聴き、この植物の怪物ぶりはそのとおりだとびっくりしました。
現在、体調不良で寝ております。回復しましたら、もう少しよく聴いて、追記してみたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
エフ・エム
2013/08/16 09:19

コメントする help

ニックネーム
本 文
ハナウドに因んで:怖い植物ジャイアントホグウィードのこと 道草の時間/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる