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zoom RSS ガガイモの花・実・種子

<<   作成日時 : 2014/12/27 09:30   >>

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ガガイモ (Metplexis japonica (Thunb.) Makino) は地下茎をもつキョウチクトウ科多年生つる植物で、イモとついていますが、イモはつくらないようです。分布は北海道、本州、四国、九州と朝鮮半島および中国。ガガイモの名の由来ははっきりしませんが、カガミイモという名が転じたという説があるようです(週刊朝日百科「植物の世界」)。

花を付けているガガイモは農道の脇などによく見かけますが、実の成る頃までには、大抵刈り取られてしまいます。今回は、刈り取られないであろうと思われる荒れ地に、たくさんの花をつけているガガイモを見付けました(8月13日)。

花は、萼葉5裂、ピンクの花冠も5裂し、白い毛がたくさん生えています。雄しべが5つ雌しべと合着してずい柱をつくり、柱頭が長く伸び出しています。花は小さい(径1センチ位)ので、可愛く見えますが、拡大するといささか不気味です。今回は花の外観を見ただけですが、ずい柱の構造や花粉塊のかたちなど、この花の機能を知るには詳しい観察が必要なようです。


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ガガイモの花(8/13)



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小さな花にでかい虫(シラホシハナムグリ)



秋の中頃、同所のガガイモがどうなっているか、見に行きました。あれほど花がたくさん咲いていたのに、見つかった実は僅かに2個。ほとんどの花は花の役目を果たしていない気がしました。それとも、栄養の分散を回避するために、僅かの実だけを立派に育てるつもりなのでしょうか。小さなカタツムリが一匹、実にくっついていました(10月11日)。


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ガガイモの実(10/11)



寒くて、しばらく散歩もせずにいましたが、先日、あのガガイモはどうなっているか、重い腰をあげて見に行きました。周囲のコセンダングサのヒッツキムシを避けながら荒れ地に入っていくと、やがてもう枯れて裂開したガガイモの実が2つ見つかりました。実の1つは種子がほとんど飛んでしまっていましたが、もう1つは中に種子が残っていましたので、持ち帰り、家で種子を見ることにしました。

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裂開したガガイモの実



殻の中に残っていた種子を取出して、撮影しました。種子に付いている綿毛は種髪といいます。キクの種子の綿毛は萼が変形したもので、種髪とは発生の起源が違うようです。種髪がどのようにしてできるのか、興味がありますが、ご存知の方は教えて下さい。

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ガガイモの殻と種子



なお、ガガイモの果実については、夕菅さんが詳しく観察されています。
http://yuusugenoniwa.blog.so-net.ne.jp/2010-11-21

冒頭に書きましたが、ガガイモの名はカガミイモに由来するという説があるようです。貝原益軒の「大和本草」にはガガイモの別名の一つとしてカガミグサを挙げています(週刊朝日百科「植物の世界」)。この植物は古代から知られていたらしく、古事記には、羅摩(かがみ)、日本書紀には白蘞(かがみ)とあり、小さな神様、少名毘古那神(すくなびこなのかみ)(古事記)、または少彦名命(すくなびこなのみこと)(日本書紀)が「かがみ」の実で作った舟に乗って、海のかなたから大国主命(おおくにぬしのみこと)の下に、国造りを手伝うためにやってきたという伝説があります。

上に載せた写真のガガイモの殻では、かたちがわるくてたちまち沈没してしまいそうですが、「すくなびこな」は航海に耐えるような丈夫でかっこよいガガイモの殻を選び出すのに苦労したのではないかと思います。

「すくなびこな」は古事記では神産巣日神(かみむすひのかみ)の子、日本書紀では高皇産霊尊(たかみむすひのみこと)の子ということになっています。まあ、どうでもいいけどね。

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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
お元気で何よりです。楽しく勉強させていただきました。
服喪中につき年賀のご挨拶は欠礼いたします。
目黒のおじいちゃん
2014/12/27 15:38
アイリスさん、気持玉をありがとうございました。

エフ・エム
2014/12/28 07:48
目黒のおじいちゃん、コメントありがとうございました。
自然教育園は野草の種類が豊富なんですね。まだ行ったことがないのですが。私の方こそ勉強させていただいております。
来年もよろしくお願いいたします。
エフ・エム
2014/12/28 07:53
同じガガイモの記事でもただひたすら拡大して見る初心者と、余裕をもって古事記や日本書紀にまで遡れる方との差をまざまざと感じました。
ガガイモという名は直感的に果実がお芋の形に見えるからかと思っていましたが、これを舟に見立て、少名毘古那神は羅摩(かがみ)船に乗って大国主命のところにきたと書いた古事記にはロマンを感じます。
やはりガガイモはあまり実を付けないのですね。
私が見た株も2株とも2個でした。
宿根しますので遠くへ飛ぶ分だけでいいのでしょうか?
それにしては花粉塊の構造は複雑過ぎるように思いました。
ヒッツキムシを避けての観察、種子が残っていて良かったですね!
夕菅
2014/12/28 09:00
名前しか知らなかったので、参考になりました
奇異な響きの名ですが、カガミイモという名が転じたというのでなるほど
種の綿毛、炸裂の仕方など精巧なのですね
花もですが種もユニーク
T&M
2014/12/28 11:00
お久しぶりです。
私もガガイモの実の成熟を楽しみにしていたのですが、草刈りされてしまいました。 なかなか先後まで見届けるのは難しいですね。
小梨
2014/12/28 21:55
夕菅さん、コメントありがとうございました。
歳を取るにつれて、文学も現代ものより、もっと近代や古代のものを読んでみたいと思っています。一生のうち、どれだけ読みきれるか。そんな中に、植物の名がでてくると、楽しいです。
ガガイモは地下茎で増えて、旺盛な植物なので、夕菅さんがおっしゃるとおり、少しづつ分散させるだけでいいのかもしれませんね。
このガガイモの株は場所に恵まれているので、また来年実をつけるのではないかと楽しみにしています。ヒッツキムシの護られているのかもしれません。
エフ・エム
2014/12/29 08:29
T&Mさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
ガガイモって憶えやすい名ですね。一説にはガガはスッポンの意で、葉のかたちがスッポンに似ているからというのもありますが、スッポンにガガという別名、あるいは方言があるのかどうか、いろいろさがしても見つかりませんでした。カガミイモの名に由来するという方が、理にかなっていると思いました。
エフ・エム
2014/12/29 08:40
小梨さん、コメントと気持玉をありがとうございました。
すっかりご無沙汰しております。
ガガイモはこのあたりでもごく普通の植物ですが、ほとんど実を見ることがないです。そちらもそうなんですね。
エフ・エム
2014/12/29 08:46
ひこうちゅうねんさん、気持玉をありがとうございました。
たいへんご無沙汰しておりました。
エフ・エム
2014/12/30 08:22
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
うるだん
2015/01/02 10:47
あけましておめでとうございます。
我がブログは一か月も更新が止まってしまいましたが、細々続けては行きたいと思っています。
今年もよろしくお願いいたします。

ガガイモは花も実も素敵な造形が心を捉えます。
魅力的な観察対象ですね。
実にならない花があると知って、納得です。
いつの日か、テーマにしてみたいです。
とんとん
2015/01/03 15:01
うるだんさん、あけましておめでとうございます。
ご無沙汰していてすみません。
ことしもよろしくお願いいたします。
エフ・エム
2015/01/03 17:26
とんとんさん、あけましておめでとうございます。
私もなかなか更新できませんが、なんとか続けてゆきますので、よろしくお願いいたします。
ガガイモは以前から記事にしようと思っていましたが、なかなか実や種子の写真がとれず、やっと昨年末、なんとか載せることができました。今年もなにかおもしろそうなものを見付けて、定点観測したいと思っています。
エフ・エム
2015/01/03 17:40

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