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<<   作成日時 : 2017/08/30 21:25   >>

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ハスとスイレンはともに池の上に美しい花を開くことで、近縁のように思われがちです。でもハスはインド、中国、日本など、東洋に原産し、仏教とも関連する東洋の花としてはっきりしたイメージがあります。一方、スイレンは、世界の温帯や熱帯に分布する植物ですが、日本ではハスほど親しみは持たれていないような気がします。しかし、スイレンの花や葉はハスとは性格の異なる清楚な美しさがあります。

以前はハスもスイレンもスイレン科の植物に分類されていました。しかし今ではDNA配列による分類 (APG) によりハスはハス科、スイレンはスイレン科に分類されており、別科の植物として、気分的にもすっきりした感じがします。

スイレンは世界の温帯や熱帯に見られ、耐寒性スイレンと熱帯スイレンに分けられます。耐寒性スイレンは葉のへりに鋸歯がなく、花は水面に浮かぶように咲きます。一方、熱帯スイレンは葉のへりに鋸歯があり、花は水面上に出て咲きます。熱帯スイレンの栽培品種の画像は、大船植物園を訪れたときの記事にいくつか載せました(http://michikusanojikan.at.webry.info/201205/article_4.html)。いずれも熱帯スイレンの特徴がよく出ています。

耐寒性スイレンの写真は撮る機会が少ないですが、先日在住地の公園の池で見た写真を載せておきます。日本にはスイセンの原種としてヒツジグサがあり、白い花が咲きますが、ここで見られた花はピンクの栽培品種です。

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撮影:8月中旬




耐寒性スイレンの池を印象派画家モネが一つのテーマとして、何枚も書き残したことはよく知られています。日本でも、国立西洋美術館、ブリジストン美術館(東京)、群馬県立近代美術館(群馬県高崎市)、大原美術館(岡山県倉敷市)、川村記念美術館(千葉県佐倉市)がモネのスイレンの絵画をそれぞれ所蔵していますので、外国に行かなくても、それらの秀作に接することができます。

モネは19世紀末に、パリ郊外のジヴェルニーに土地を購入し家を建てました。そして、所有地を広げて、池を造り、スイレンを植え、周囲に東洋の植物をあしらい、池には日本風の太鼓橋をかけ、日本風の庭園にしました。でも、日本には本来このような庭園はなく、モネがイメージした日本庭園だと思います。

下は、Japanese Footbridgeと題する一連の作品の一つで、USAワシントンD.C.にあるNational Gallery of Arts 所蔵の絵画の画像です。

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Wikimedia Commonsよりダウンロード



日本では、ポーラ美術館(神奈川県箱根町)がJapanese Footbridge シリースの一つを所蔵しています。

スイレンの属名Nymphaeaはギリシャ神話の水の精ニンフに由来します。下はラファエル前派の画家ジョン・ウィリアム・ウォータハウスの「ヒュラスとニンフ達」と題する絵画の画像です。ヒュラスはヘラクレスの愛童で、ヘラクレスとともにアルゴー船による遠征に加わったが、キオスの島に立ち寄ったとき、ヒュラスは泉に水を汲みにゆき、ヒュラスの美しさに魅せられたその泉に住むニンフたちに誘拐されるシーンです。ヒュラスの運命はいかに? 泉にはニンフとともにスイレンが描かれています。その形状から、熱帯スイレンであることが分かります。

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Wikimedia Commonsよりダウンロード


画面をクリックして拡大すると熱帯スイレンであることが分かります


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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
公園のスイレン、葉の緑も鮮やかで美しいですね。
ハスとスイレンではやはりハスは東洋風、スイレンが西洋風にでしょうか。
モネは耐寒性スイレンを、ヒュラスは熱帯スイレンを描いていたのですね。
マーク ロスコーを見にはるばる川村記念美術館に行った時、モネの睡蓮があって驚きました。
最近はモネの庭があちこちにあるようですね。
岐阜県にも出来て、近くの道路が渋滞しているそうです。
夕菅
2017/09/01 16:57
夕菅さん、コメントありがとうございました。
「ヒュラスとニンフ達」はギリシャ神話を題材にした画家ウォーターハウスの作品ですが、ウォーターハウスはイギリス人なので、身近の湖沼でみるのは耐寒性スイレンのはずですが、ギリシャのスイレンは熱帯スイレンなのでしょう。ウォーターハウスがあえて熱帯スイレンを書き入れているのには、さすがと思いました。解説書にもこのことには触れていないので、あえて書いて見ました。
エフ・エム
2017/09/02 08:17
失礼しました。
「ヒュラスとニンフ達」を描いたのはウォーターハウスでしたね。
絵はWikimedia Commonsから直接拡大しますとより迫力がありました。
でもあの肌の色と眼差しの迫力に目を奪われて、スイレンは注目されなさそうです。
これが描かれたのは1896年、ウォーターハウスはスイレンのことを何で調べたのでしょう。今はネット検索できてありがたいです。
絵にはコウホネのような黄色い花も描かれていますね。
夕菅
2017/09/02 11:57
初めはハスとスイレンの違いがわからない植物オンチでした。
熱帯と耐寒も今日初めて知りました。
自分の撮ったものを調べて見ると、全部熱帯スイレンでしたが、水面に浮かぶように咲くものもたくさんありました。
葉の違いがわかって、観察がますます楽しくなりそうです。

最後の絵画は衝撃的です。
湧き水で清浄にしても睡蓮と一緒に水につかるなんて、人間ではありえないこと。
ニンフってこんなに妖艶だったの?
ヒュラスの運命は・・・風前の灯。。。
とんとん
2017/09/02 13:41
夕菅さん、コメントありがとうございました。
こういう絵をみて、描かれている植物が何かを調べるのも面白いです。スイレンは英語でWaterlilyというのですが、ウォーターハウスはNymphaeaというラテン語を知って、ニンフの泉に添えたのでしょうか。ウォーターハウスの他の絵も好きです。
エフ・エム
2017/09/03 07:21
とんとんさん、コメントありがとうございました。
一般に熱帯スイレンの方が耐寒性スイレンよりカラフルな感じがします、スイレンは好きな植物で、日本庭園にももっと使って欲しいものです。
ニンフたちはギリシャ神話の神の子なので、美しいですが結構恐ろしい性格を持つものが多いようです。ヒュラス(=ヒュラース)の運命については、Wikipediaにありますから、読んでみてください。
エフ・エム
2017/09/03 07:46
蓮と睡蓮、花の美しさもありますが、水面で咲くというので神秘性も感じられますね
昔、ロスの教会に行った時、前庭の大きな噴水に睡蓮が咲き誇っていていて、蓮と仏教の関係に似てるなと妙に感じた記憶があります
その睡蓮に耐寒性と熱帯性があるのは初めて知り、勉強になりました
T&M
2017/09/05 11:38
T&Mさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
欧米の人はやはり睡蓮が好きなのでしょうね、あまり西洋の蓮池というのは知りません。蓮は仏教と関連が深い上に、蓮根の美味しさを知っているんおは日本人が一番でしょう。蓮の品種改良は、花より蓮根目当ての方が多いようです。
エフ・エム
2017/09/06 10:11

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