日本の聖なるユリ:オモト
オモト (Rhodea japonica (Thunb.) Roth) の英語名は何かと調べたところ、"Japanese sacred lily" すなわち「日本の聖なるユリ」とありました。「聖なる」と直訳すると宗教的な感じになってしまうので、むしろ「日本の縁起のよいユリ」と訳す方がいいかも知れません。オモトは「幸運の印」であり、引越し祝い、開店祝い、誕生日の祝いなどに贈り物にされるからという意味合いに由来するようです(アーカンサス大学農学部門のホームページより: http://www.arhomeandgarden.org/plantoftheweek/articles/japanese_sacred_lily_6-8-07.htm)。
オモトが栽培されようになったのは元禄年間 (1688~1704) で、その後、縞おもとやとらふおもと、覆輪おもとがつくられ、文化文政期 (1804~1830) には趣味園芸としての栽培が確立し、明治以降今日に至まで非常に多くの品種が作り出されているということです(朝日百科「世界の植物」)。いつから「聖なる」植物になったのかは分かりません。
今はたしかに三本足のおもと鉢で大事に育てられた高価なオモトを引越し祝いとして贈る習慣があります。しかし、私は残念ながら「おもと鉢」をいただいた経験がないので、オモトは「聖なる」とか、「縁起が良い」というような実感がないのです。
オモトは以前ユリ科の植物となっていましたが、新分類ではスズラン科に分類されています。原産は日本と中国です。
下にわが家の庭のオモトの写真を並べておきます。原種か、栽培品種の一つであるかは分からないのですが、いずれにせよ、縁起物になるようなオモトではありません。
オモトの受粉はカタツムリまたはナメクジの助けによるものだそうです。庭にはカタツムリをさっぱり見かけませんが、ナメクジはたくさんいます。たくさんいる割には、オモトの実付きは少なかったです。
5~6月頃、円筒状の花茎の表面に上のような変ななかたちの花が咲きます。花被片は6枚で、下半部は合着して筒状になっています。雄しべは6本で花糸は花被と合着しています。中に1個の雌しべがあり、子房は3室に分かれています。
上記のように子房は3室あり、各室には2個の胚珠があり、そのうち1個が種子になるので、種子は実の中に3つできるはずですが、今回できた実の中にあった種子の数は1~2でした。ナメクジの質がわるくて、受粉効率が低かったのか、受精しても発達しなかった胚が多かったのかは不明です。


オモトが栽培されようになったのは元禄年間 (1688~1704) で、その後、縞おもとやとらふおもと、覆輪おもとがつくられ、文化文政期 (1804~1830) には趣味園芸としての栽培が確立し、明治以降今日に至まで非常に多くの品種が作り出されているということです(朝日百科「世界の植物」)。いつから「聖なる」植物になったのかは分かりません。
今はたしかに三本足のおもと鉢で大事に育てられた高価なオモトを引越し祝いとして贈る習慣があります。しかし、私は残念ながら「おもと鉢」をいただいた経験がないので、オモトは「聖なる」とか、「縁起が良い」というような実感がないのです。
オモトは以前ユリ科の植物となっていましたが、新分類ではスズラン科に分類されています。原産は日本と中国です。
下にわが家の庭のオモトの写真を並べておきます。原種か、栽培品種の一つであるかは分からないのですが、いずれにせよ、縁起物になるようなオモトではありません。
オモトの受粉はカタツムリまたはナメクジの助けによるものだそうです。庭にはカタツムリをさっぱり見かけませんが、ナメクジはたくさんいます。たくさんいる割には、オモトの実付きは少なかったです。
オモトの花 (6/4)
5~6月頃、円筒状の花茎の表面に上のような変ななかたちの花が咲きます。花被片は6枚で、下半部は合着して筒状になっています。雄しべは6本で花糸は花被と合着しています。中に1個の雌しべがあり、子房は3室に分かれています。
実のついた花は少ない(7/10)
ナメクジの質がわるいのかな
成熟間近か (10/29)
色付きつつある実 (11/30; 12/4)
完成 (12/25)
別の実 (12/25)
種子 (12/31)
上記のように子房は3室あり、各室には2個の胚珠があり、そのうち1個が種子になるので、種子は実の中に3つできるはずですが、今回できた実の中にあった種子の数は1~2でした。ナメクジの質がわるくて、受粉効率が低かったのか、受精しても発達しなかった胚が多かったのかは不明です。









この記事へのコメント
家にもありますが、冷遇して来ました。父母にどなたから贈られたものなのでしょうが、そういう意味があったことを知りませんでした。今年もエフ・エム先生に教えていただくことが多かったです!
私もそれほど関心がなかったのですが、庭のオモトに花が咲き、実が大きくなるにつれ、興味が出てきたわけです。
いろいろ調べながら書いてみました。日本人がこの植物を好むわけも少しは分かった次第です。
次のようなコメントです。
>へぇ~ オモトって地味目な植物なので、こんな素晴らしいものとは思いませんでした。
しかも赤い実のついた時しか見ておらず・・・。
花が~ 花って咲くんですね^^トウモロコシみたい。
全部実にならないところがスズランのよう。(単なるスズランの実が少ないという例えです)
エフ・エムさま
今年もありがとうございました。たくさんコメントもいただきました。
良い年をお迎えください。
オモトはほんとうに地味な植物ですね。日本人はこのような地味なものを好む傾向があるのだと思います。そんな地味な植物に目をつけて、美しく、粋な園芸品種をつくりあげるのですから、感心します。
花がトウモロコシの実に似ていることは、全然気が付きませんでした。なるほどそうですね。スズラン科というので、スズランと似たところがあるのか、考えたのたのですが、よく分かりませんでした。まあ、大ざっぱには似ていないことのないです。
素敵な船旅や里山の鳥たちなど、ブログを楽しませていただきました。
新年も楽しみにしております。よいお年を。
オモトですか。赤い実があると気付きますが、こんな目立たぬ花が咲くのですね。
カタツムリやナメクジも、植物に役立つこともあるんですね。
今年も私のブログに訪れていただきありがとうございました。
来年もよろしくお願い致します。
良いお年をお迎えください・・・
でも野生種のようなものでしたら、日陰の庭の下草にふさわしいかもしれませんね。今までそういう所へはオモトの近縁らしいキチジョウソウを植えてきましたが殖え過ぎて困っています。
ブログ、いつも感心してみせていただいております。
私の方へもコメントをいただき只管感謝しています。
エフ・エムさんにはいつもいろいろなことを教えていただき、また私のブログにもコメントをいただき、ありがとうございます。
身近な植物でも知らないことがいっぱい・・・これからもたくさん教えてください。
万年青はスズラン科でしたか、新年早々勉強になりました、有難うございます。
リリーとは似ても似つかない花ですね。葉も違うのに。
カタツムリやナメクジが受粉の手助けをすろというのも珍しいです。今年もまた見ること、知ることが多そうです。
私も鉢植えの盆栽をいただいたことがないので、もしそんなことがあったら、どうやって育てるか、とまどうでしょう。庭にあるくらいが無難と思っています。
庭のものは非常に丈夫で、増えるには年月がかかりますから、キチジョウソウよりもかえって手がかからないかも知れません。
夕菅さんの写真や観察にはいつも感嘆しております。今年も楽しみにしております。
今年もよろしくお願いいたします。
こちらこそいろいろ教えていただいております。本年もよろしくお願いします。蝶などの飼育のお話はとくに興味深く読ませていただきました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年もよろしくお願いいたします。
今年もよろしくお願いいたします。
今年もよろしくお願いいたします。
この歳になって又一つ知識が増えました。
有難うございます。
今年も宜しくお願い致します。
オモトを英語で「Japanese sacred lily」と表現するということを知り驚いています。
オモトがお目出度い植物であるのは「万青年」と書くようにいつまでも変わらぬ青々とした葉であることと大きな赤い実をつけるところにあると思っていました。
昔 お正月には オモトの生花を活けていました。この頃ではオモトの生け花を飾る場所もないこともあって、しばらく遠ざかっています。なかなか形が定まらなくて苦労していましたね・・・
千両万両や松と同じように日本人の思いがこもっている植物なのですね。
オモトは早くから実ができていましたが、赤くなるまでが待ち遠しかったです。でも、オモトに見習って、今年もゆっくりのんびりやるつもりです。
よろしくお願いします。
今年もよろしくお願いいたします。
今年もよろしくお願いいたします。
昨年は大阪、奈良、京都などの風物に関する記事を興味深く拝読させていただきました。今年もとても楽しみにしています。
オモトはおっしゃる通り万年青、つまりいつまでも青い葉をつけているというところから、おめでたい植物ということになったのでしょうね。
オモトの生花はいかにもお正月らしく、おめでたい感じでしょうね。外国人が日本人のオモト文化に興味を示していることは、ちょっとした驚きでした。
今年もよろしくお願いいたします。
我が家でも斑入り(縞?)オモトを植えましたが、猫が掘るので花や実は期待できそうにありません。
一枚目と二枚目は花?ですか?
変っていますね。
花もこれといって豪華ではないし・・・
江戸時代には高価な値段で取引されていたそうで・・・
確かに、赤い実が成ってるのを見ると、宝石のようで縁起の良い雰囲気ですね
今年もよろしくお願いします。
昨年はたくさんの気持玉をいただきありがとうございました。
三が日も終わっちゃいましたね。
私は明日から仕事初めです。
今日はゆっくりして、明日からまた一年頑張らないといけませんね。。。
石上神社、是非行ってみてくださいね!
今年もよろしく願いします!
おもとがお祝い事、そして、そうそう、3足の陶器の入れてありますね。だから、鉢もやたら重くて、動かせない(^_^;)花も実の中も初めて拝見します。ナメクジやカタツムリの力をかりるとはびっくりです。特にナメクジってはった跡が葉に筋をつけたり、ミカンなどもナメクジが這いまわると売り物にならず、嫌がられますが、そうなんですか、受粉にかかわることもあるんですか\(◎o◎)/!びっくりです。
また、今年もいろいろ勉強させていただきます。今年もよろしくお願いします。
今年も記事を楽しみに訪問させていただきます!
今年もどうぞ宜しくお願いします!
オモトの実は知っていますが、花は初めて見ました。 カタツムリやナメクジも葉を食べるだけでなく、受粉の役に立っているんですね。
今年もよろしくお願いいたします。
今年もよろしくお願いいたします。
縞や斑の入ったオモトは葉がとてもきれいですね。鑑賞にもなるし、縁起のよい植物ですし、斑入りもほしいと思っています。
上の2枚は花のついた穂をフィーチャーしました。穂の表面に並んでいるのが花です。花被(花弁と萼との区別がつかないので花被としています)も雄しべも雌しべもあります。
今年もよろしくお願いいたします。
今年もよろしくお願いいたします。
オモトの名品は骨董品みたいなもの。すごく高価なものもあるようです。センリョウやマンリョウはどちらかといえば、おじぇじぇが欲しいという願いが込められていると思いますが、オモトの方は大枚をはたいても買いたいという人がいるわけですから、縁起物といっても一様でない気がします。
正月早々くだらないことを言っていますが、今年もよろしくお願いいたします。
新年は地元の神社におまいりしただけで、あとは寝正月でおわりました。寒いけれど、外に出て、エネルギーを消費しないといけないと思っています。
今年もよろしくお願いします。
totoちゃんの楽しいブログを楽しみにしています。
今年もよろしくお願いいたします。
私の庭のオモトは平凡な、ただのオモトですが、鉢に大事に育てられているものはまさに骨董品みたいです。
そんなオモトの写真が載っているサイトがありました。
http://www.houmeien.co.jp/omoto.meikann.html
ナメクジが実際に受粉を助けているところをみていないのですが、今年は見てみたいと思っています。
今年もよろしくお願いいたします。
いつも気持玉をありがとうございます。
毎回の記事を感嘆しつつ拝見させていただいております。
今年もよろしくお願いいたします。
今年もよろしくお願いいたします。
オモトの花は、花被もあるし、雄しべ、雌しべも整っているし、ごく普通の構造なんですが、なんだか変に見えますね。
花茎はずんぐりとして低いのをみると、ナメクジが登るのにちょうどよさそうです。今年はナメクジなどが花についている様子を是非見たいものと思っています。
えっ、・・・! ナメクジ媒花ですって?
う~ん 知らんかった
調べてみたらネコノメソウも、そうらしいですね
毎春、楽しみにしている風布の里の観察会
ネコノメソウの多いこの場所で、今年はナメクジの観察もしなければならないのかしら・・・?
ナメクジ媒花じゃあなくて、カタツムリ媒花ですって?
うん、その方がチョットはネコノメソウのイメージを壊さなくてすみそうです。
今年もよろしくお願いいたします。
実つきは少なかったけれど、それぞれが大きな実になりました。
今年もよろしくお願いいたします。
ナメクジを受粉に利用するなんて、オモトも考えたものです。あのベトベトを糊みたいに使う? ベトベト糊の中に、受精を促進させるホルモンが含まれる? 単なる想像です。
ネコノメソウはこちらにはないので、観察をおまかせします。もし現場をとらえたら、ブログにお願いします。
ところで、パソコンのごきげんはいかがですか。
今年もよろしくお願いします。
年明け早々、勉強させていただきました。
オモトは実を見ることはあっても、花を見たことはありませんでした。しかも、縁起物ということも知りませんでした。オモトの定点観察、おもしろいです。^^
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。<(_ _)>
植物についての詳しいお話しに
いつも驚いております。(^_^;)
コメントと気持玉をありがとうございました。
寝正月を過ごしているうちにもう「七種の節句」になってしまいました。ブログの方も今年はまだです。そろそろ何か書かねばと思っています。
今年もよろしくお願いいたします。
今年こそは平穏な年であってほしいものですね。
いつも、北国からの記事を楽しみにしております。
今年もよろしくお願いいたします。
地味な存在なので、正直今まで注目してませんでした。
カタツムリやナメクジで受粉するなんて、
何て風変わりな花を持ってるんでしょうか。
今年もよろしく、お願いします。
万年青、縁起物でしたね。
私もブログへUPするために調べた事があり、
徳川家康が江戸城へ入る際、床の間へ飾ったとの事。
我が家でも、今、庭で、万年青が赤い実を、つけています。
遅ればせながら明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。
我が家には万年青はないのですがマユバケソウという万年青科の植物があります。
いまだ花を咲かせたことないのですが今年こそはと期待しております。
カタツムリやナメクジは植物を食害しますが、かれらを利用するというオモトの賢さには驚きます。植物と動物との関係はおもしろいですね。
今年もよろしくお願いします。
今年もよろしくお願いいたします。
オモトの実がお庭にも。うれしいですね。
オモトは野にあればごく目立たない植物ですが、それを栽培植物にしてしまった昔の人に敬意を表します。日本人の審美眼はすてきですね。
今年もよろしくお願いします。
「マユバケソウ」は見たことがありませんが、おもしろい名前ですね。オモト科ですか。やはりナメクジと仲がよいのでしょうか。一度見てみたいと思います。
新築祝いにオモトを贈るという習慣は今も生きているのですね。いただいた方はとてもうれしいことでしょう。
写真のオモトは贈呈になるようなものではありませんが、オモトの自然に近いすがたを見るにはいい材料です。
万年青の受粉にカタツムリやナメクジがその役割を果たしているのだとは、予想だにしていませんでした。
我が家にもナメクジが多いので、万年青を植えるのは適しているのかも知れませんね。
体調を崩していらっしゃったようですが、いかがですか。
今日はすごく寒いですね。お大事になさって下さい。
わが家の庭にはナメクジがたくさん住んでいます。植木鉢の裏にはかならず数匹見つかります。今年もオモトの着果の手伝いをしてくれるとありがたいです。
今年もよろしくお願いいたします。
見て下さってうれしく思います。