ベタレインが彩る花色・葉色:ケイトウ、ハゲイトウ、センニチコウ

先日書きましたように(9月3日のブログ記事)、ベタレインという植物色素はアントシアニンとは趣きを異にし、単純ですが強い色合いをもっています。前回に紹介したマツバボタンを含むスベリヒユ科やマツバギクを含むマツバギク科と同じように、ヒユ科の植物もアントシアニンを合成せず、ベタレインを合成して花、葉、茎などを彩色します。

今回はヒユ科の代表的な園芸種であるケイトウ (Celosia argentea L. var. cristata O. Kuntze)、 ハゲイトウ (Amaranthus gangeticus L.) 、センニチコウ (Gomphrena globosa L.) の、散歩の途中で撮った写真を載せます。ベタレインの鮮明な彩色が見事に生かされた植物たちです。

ケイトウはインド原産で、古い時代に中国を経て渡来したといわれ、すでに万葉集では韓藍(からあい)の名で詠まれています。

恋ふる日の日(け)長くしあればのわが園の韓藍(からあい)の花の色に出でけり (2278)

隠(こも)りには恋ひて死ぬともみ苑生(みそのふ)の鶏冠(からあい)草の花の色に出でめやも (2784)

ケイトウの花の色は、なかなか成就しない恋の情念。

ハゲイトウは、熱帯アジア原産で、やはり中国を経て渡来したもので、雁来紅(がんらいこう)とよんで、古くから観賞用に栽培されているようです。センニチコウも熱帯アジア原産で、江戸時代に園芸植物として入ってきたものだそうです。

ヤマゴボウ科のヨウシュヤマゴボウ(別名アメリカヤマゴボウ;Phytolacca americana L.)の実の写真もついでに載せますが、この濃紫色もまた、ベタレインによっています。この植物は北米原産で、明治のはじめに渡来したのだそうです。ヨウシュヤマゴボウはフィトラカトキシンという有毒物質を含むので、おいしそうに見えても食べるのは危険です。

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ケイトウ



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ケイトウ
ただし、var. cristataかどうか分からない



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(9月9日追加)ウモウゲイトウ (var. plumosa Hort.) と思われる



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ハゲイトウ



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センニチコウ



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ヨウシュヤマゴボウ



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アカタテハ
ケイトウの花色にひかれて



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この記事へのコメント

池田姫
2009年09月08日 15:06
それぞれが燃えるような赤ですね。
ケイトウは懐かしいです。
姫はニワトリさんが苦手なのでこの花もちょっと恐怖^^
ケイトウも変わりましたね。色や形!
色はみんなベタレインのお陰?
センニチコウはこのぽんぽんの中の小さな花を探すのが好きです。
2009年09月08日 18:55
池田姫さん、コメントありがとうございました。
トサカゲイトウともいいますね。ケイトウだけでもトサカのことかと思うのですが。たしかにあのかたちは好きでない人も多いでしょう。ハネゲイトウはきれいですね。あれば撮りたかったのですが、見つかりませんでした。
群れて咲くセンニチコウはきれいですね。
2009年09月08日 18:56
Tatehikoさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
2009年09月09日 07:58
テルツマさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
かもっち
2009年09月09日 08:59
6月の始め、道端に赤い茎で葉っぱがやたらに大きい背の高い雑草にピンクの見たこともない複雑な花が付いていたので写真に撮りましたが、ネットで調べたのですが名前がわかりませんでした。今日ヨウシュヤマゴボウだとわかりました。すーっとしました。ありがとうございました。見るからに毒毒しかったのでさわらなくてよかったです。
2009年09月09日 11:43
かもっちさん、コメントありがとうございました。
ヨウシュヤマゴボウの花はそれほどでもないんですが、実は毒々しいですね。手持ちの朝日百科「世界の植物」には、この実を葡萄酒や食品の色づけに使ったことがあるが、吐き気や下痢を起こす成分が入っているので現在は使われない、と書いてありました。ひどいことをしたものです。
風さん
2009年09月09日 20:11
3日と今日の記事、興味深く読ませていただきました。

植物の色素について全く知らなかったので、とても新鮮です。
ベタレインの原色の鮮やかさ、いいですね。百日草もそうでしょうか?
2009年09月09日 22:35
風さん、コメントありがとうございました。
3日の記事と合わせて読んでいただいてうれしいです。
ベタレインを主題に花の写真を撮ってみて、改めてその鮮烈な色調を認識しました。オシロイバナも少し撮っています。
百日草はキク科ですから、アントシアニンや他のフラボノイド、カロチノイドなどの単独または複合による花色です。
ミセスサニー
2009年09月09日 23:07
近頃は、肌色や薄い緑のケイトウも花屋さんには出ています。
ベタレインが少ないものを選んで品種改良していくのでしょうかね~?素人考えですが・・・
YAKUMA
2009年09月09日 23:28
こんばんは
ケイトウの鮮やかな色もベタレインなのですね。
子どもの頃、「毛糸」と思っていたことを思い出しました。
2009年09月10日 11:40
ミセスサニーさん、コメントありがとうございました。
肌色や薄い緑のケイトウも売っているのですね。どうやって育種するか、個々のケースについては私にも分かりませんが、突然変異体を利用することは、作物や花卉の育種に通常使われています。突然変異誘発物質の処理や、放射線の照射などで、いろいろな変異体が現れますので、その中から花色に関する変異体を選んで、交配などによって、よい品種をつくり出して行くということです。白い品種は、多分ベタレインの合成に関与する多数の遺伝子のどれかに欠陥を生じているものと思われます。
2009年09月10日 11:48
YAKUMAさん、コメントありがとうございました。
「毛糸」なるほど、鶏頭より「毛糸」の方がぴったりするかもしれませんね。ウモウゲイトウなどはとくに。
ケイトウの鮮やかな色は秋空に似合うように思います。
2009年09月10日 11:51
hummingさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
2009年09月11日 00:19
すごいですね、ベタレインの赤づくし・・・いろいろな植物の「赤」がありますが、これだけ並ぶと、その発色の鮮烈さが際立ちますね。
恋ですね~、あ、いや、違った・・・
濃いですね~!
2009年09月11日 08:48
さとみさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
ケイトウもハゲイトウも凄い色です。きっと派手好きな植物たちなんでしょうね。もっとも、それを助けているのは、種苗会社の人たち? 
ちょっと思い浮かんだのですが、女性にもアントシアニン型とベタレイン型がいらっしゃいますね。○○さんはアントシアニン、XXさんは、ベタレイン。怒られるかな。

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