小石川植物園:春のシダたち

植物園の楽しみはもちろん、普段はとても見ることができない植物をまとめて見られることです。しかも名札によって、植物の名がただちに分かるわけですからありがたいです。とくにシダ類は一般に葉のかたちや色に魅力を感じているのですが、私には名前の分からないものがほとんどです。小石川植物園には約130種が集められているというシダ園があり、また東アジアの植物を中心に代表的な植物を集めた植物分類標本園の中にもいろいろなシダ植物が栽培されています。

桜咲く4月8日、シダたちの展開しかけの若い葉や新鮮な緑の葉が印象的でした。あれからもう1週間経ってしまいましたが、発芽して間もなかったシダたちも、今は緑の葉を広げているでしょう。

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アオネカズラ


アオネカズラ (Polypodium niponicun Mett.) はウラボシ科のシダで、本州の暖地、四国、九州および中国に分布し、岩や木に着生するそうです。栽培もされているシダです。

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オオエゾデンダ


オオエゾデンダ (Polypodium vulgare L.)はウラボシ科のシダで、アジア温帯、アフリカ、ヨーロッパに広く分布しています。日本には北海道と本州に生息します。

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タクヒデンダ


タクヒデンダ (Polypodium xtakuhinum Shimura, nom. nud.) はウラボシ科のオシャグジデンダとオオエゾデンダの雑種。島根県隠岐郡西ノ島町の焼火山(たくひやま)にのみ野生する希種だそうです。

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ヒトツバ


ヒトツバ (Pyrrosia lingua (Thunb.) Farwell)はウラボシ科のシダで、アジア温帯、熱帯に分布しています。日本では関東以西に分布し、乾燥した樹幹や岩上に群生するのだそうです。

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モミジヒトツバ


モミジヒトツバ (Pyrrosia polydactylis (Hance) Ching) はやはりウラボシ科。葉はモミジ型。原産は台湾で、日本では栽培種です。

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ジュウモンジシダ


ジュウモンジシダ (Polystichum triperon (Kunze) Pr.) は東アジアに原産するオシダ科のシダ。名の由来は最下位の葉片が長く、葉全体が十文字に見えるためということですが、この時期には分かりません。

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イノデ


イノデ (Polystichum polyblepharum (Roem.) Pr.) は東アジアに分布するオシダ科のシダ。日本では本州、四国、九州に比較的普通に見られるようです。「イノデ」の名は、「密に鱗片をかぶった若い葉を、イノシシの手になぞらえたもの」とありました(電子辞書版ブリタニカ)が、よく分からん。

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ハカタシダ


ハカタシダ (Arachniodes simplicior (Makino) Ohwi) は本州、四国、九州の暖地に生息するオシダ科のシダ。ハカタシダとは葉の筋の様子が博多織のようなシダということらしいです(岡山理科大学自然植物園ホームページより)。博多織を広辞苑で見ると、「博多およびその周辺で生産される絹織物の総称。細い経糸(たていと)がやや太い緯糸(よこいと)を包みこみ、表面には緯糸ばかりが出ていて、横畝(うね)が際立って見える点が特徴。練糸を使った平織物で、地合(じあい)が硬く、光沢がある」。すごい名前なんですね、ハカタシダ。

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クマワラビ

髪の毛を5分5分に分けている頭?


クマワラビ (Dryopteris lacera (Thunb.) O.Kuntze) は東アジアに分布するオシダ科のシダ。日本では本州、四国、九州。

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アイノコクマワラビ

この時期はまだ、クマかアイノコか区別がつかない


アイノコクマワラビ (Dryopteris xmituii Seriz.) オシダ科のクマワラビとオクマワラビとの雑種だそうです。

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ゼンマイ


おなじみのゼンマイ (Osmunda japonica Thunb.) は東アジアに広く分布するゼンマイ科のシダ。日本では、北海道、本州、四国、九州に分布します。

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ヤシャゼンマイ

海の底にこんな生物がいるような


ヤシャゼンマイ (Osmunda lancea Thunb.) は北海道、本州、四国、九州に分布する日本固有のゼンマイ科のシダです。

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イワヒバ

ヒバというように、ヒノキの葉によく似ている


イワヒバ (Selaginella tamariscina (Beauv.) Spring) はアジア温帯および熱帯に分布するイワヒバ科のシダ。日本では北海道南部から沖縄まで。多くの園芸品種があるようです。

こんなシダたち、本当はそれらが生息している現場で見たいものです。

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この記事へのコメント

宮城野
2012年04月16日 05:03
シダ植物はいつも身近にありながら、名前も分からずいつもそのままにしていました。でもいつかシダも代表的なものは見分けられるようになりたいです。
2012年04月16日 08:52
宮城野さん、コメントありがとうございました。
私も同様です。ごく特徴のあるもの以外はまったく自信がありません。植物園のコレクションなどで、少しずつそれぞれの特徴を知りたいと思っています。
2012年04月16日 13:19
こんにちは
気持ち玉ありがとうございました。
シダの見分けは難しくて困っています。野山の植物図鑑に一緒に載っていないので、シダ専門の植物図鑑を見かけたことがあり買っておくべきだったと後悔しています。こちらの岩場にあったヘラシダと思われるシダは常緑のイメージでしたが、冬見たら枯れていました。今年の寒さに耐えられなかったのか、冬は枯れる種類なのか謎です。
ケロ太
2012年04月16日 13:47
名前が分かるようになると、より楽しいだろうと思いつつ、なかなか手が出せないシダの世界。詳しい方に教えていただいても、後日改めて見ると、名前が出てきません。。。
家の庭にも数種類のシダがあるのですが、なかでもカニクサは、色合いも雰囲気もわりと好きです。
隣家との境のフェンスに絡まると、後が大変ですが。。。
2012年04月16日 17:08
シダ類は種類も多いですがなかなか見分けが容易ではないですよね。
植物園の良さは書かれているように一堂に集まることと、名前が表示されているというありがたい点ですね。
私も久々に植物園へ行ってみたくなりましたし、小石川植物園のシダ園はすごく興味深いです!
夕菅
2012年04月16日 18:05
シダ類は好きですが、ソーラスの確認とか鑑別がとても難しそうですね。
でもヒトツバは単純明快、条件の悪いところにでも育ちますから庭隅のあちこちに植えています。モミジヒトツバもそうかなと思ったのですがこれはやや気難しそうです。
園芸種のトキワシノブは殖え過ぎて困っています。
これからシダ類の鮮やかな若葉が展開しますね。
YAKUMA
2012年04月16日 22:05
こんばんは
シダの仲間は、まだ手をつけられません。
区別ができれば面白いでしょうね。
私も湿生花園で植物園で勉強をする大切さを、改めて知りました。
2012年04月17日 07:46
シダ類の写真をまとめて拝見したのは初めてかも知れません。山菜採りの、ゼンマイを思い出しました。こうしてみると、シダ類は、趣のある植物ですね。
今年は、放射能で、山菜採りはできないかも知れません。
最も、去年は、そんなこと関係なく大量に食べましたが・・・
2012年04月17日 08:42
nonaさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
散策の折、図鑑をもって行かないと、シダの名を知ることはたいへん難しいですね。図鑑があっても、葉のかたちだけでなく、ソーラスや葉脈、根茎まで調べるのは辛抱が要りそうですが、一度きちんとやってみようかなと思っています。
岩場のシダなど、貴重なものかもしれませんね。またの機会には是非お願いします。
2012年04月17日 08:47
ケロ太さん、コメントありがとうございました。
原始的な雰囲気をもつシダ類は興味のある植物ですが、同定は難しいものが多いですね。私も初心者ですので、少し慣れてみたいと思っています。
カニクサがお庭にありますか。散歩道によく見かけますが、ちょっと変わったシダですね。
2012年04月17日 08:56
松の陰さん、コメントと気持玉をありがとうございました。
本当を言えば、自然の中で植物を見るのが、風情があって楽しいのですが、名前が分からないともの足らないですね。植物園のコレクション、とくにシダのような植物を展示していただけるのは有り難いです。
2012年04月17日 08:58
totoさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
2012年04月17日 08:59
タビビトさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
2012年04月17日 09:08
夕菅さん、コメントありがとうございました。
なるほど、ヒトツバは単純明快ですね。お庭にあるなんて楽しそうです。モミジヒトツバは外観は似ていても、性質が違うのですか。おもしろいですね。
植物園でシダのコレクションを見ると、散策でも少し調べてみようかなという気になります。
2012年04月17日 10:27
ジュンチーさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
2012年04月17日 10:28
daoさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
2012年04月17日 10:29
I子さん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
2012年04月17日 10:33
YAKUMAさん、コメントありがとうございました。
シダも分かりやすいものもあるのですが、オシダの仲間など、今のところお手上げです。少しずつ勉強してみたいと思っています。
湿生花園シリーズ、楽しく拝見させていただきました。
2012年04月17日 10:33
彩さん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
2012年04月17日 10:34
hideさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
2012年04月17日 10:35
ほたるさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
2012年04月17日 10:44
木の実さん、コメントと気持玉をありがとうございました。
放射能汚染が心配で山菜採りもできないですね。近所にツクシがたくさん生えていたのですが、私の在住地、茨城県南は汚染のホットスポットなので、とても食べる気にはなれなかったです。被災地の方々のことを考えると大したことではないのですが、ささやかな楽しみではあったのです。
2012年04月17日 10:44
えのもと@秋田さん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
池田姫
2012年04月17日 17:26
これもシダ、あれもシダ?
見ることあるけどじっくりは見ないです。緑の葉っぱに規則正しく胞子が並んでいたりしますね。あれって落ちるんですよね?
ゼンマイもワラビもそうなんですか?こういうクルクルっとしたの見ます。食べられるのかな?そんなふうに思いますけど。
1枚目の写真は2枚ある?すみません、こんな私で。間違い探しみたいに見てしまいました。
薬用植物園でシダ見ようと思いました。
2012年04月17日 20:41
ある意味、しだの世界も新緑の時ですね。
黄緑色の柔らかい優しい羊歯の葉っぱがまばゆいですね。
羊歯の種類は全く判断できませんので『シダ』でとおしますね。(笑)
2012年04月17日 22:32
池田姫さん、コメントありがとうございました。
また、1枚目の写真が2枚ダブっていることをご指摘下さって感謝しております。うっかりしていました。早速葉の拡大写真に差し替えました。
シダには胞子のできる葉(胞子葉)と胞子のできない葉(栄養葉)があるのですが、胞子は胞子葉の裏側にある胞子嚢(ほうしのう)の中でつくられます。胞子葉の裏側を見ると、ブツブツしたものが並んでいますが、その1つ1つは胞子嚢の集まったもので、ソーラスと言います。胞子嚢からは、胞子が地面に落ちて発芽して前葉体になります。
前葉体は巾1センチ位の小さな植物で、それに造精器と造卵器ができ、造精器で作られた精子がちょろちょろと造卵器の向かって泳いでいって、造卵器の中の卵子を受精させます。受精した卵子は分裂を繰り返して栄養体、すなわち、いわゆるシダに生長します。ややこしい説明ですみません。
ワラビとゼンマイしか食べたことはないですが、ほかのはちょっと食べる気にならないです。
2012年04月17日 22:44
あっこちゃん、コメントありがとうございました。
シダの新鮮な緑色もいかにも春らしくていいですね。やはりシダも自然の中で見たいものです。
石激(いはばし)る垂水の上のさ蕨(わらび)の萌え出づる春になりにけるかも(志貴皇子)
ワラビが春の喜びを演出しているようです。
2012年04月17日 23:29
シダ・・・・ワラビ、ゼンマイ、ウラジロぐらいしか
知らないです
花の咲く植物と同じように注目したいものですね。
と言っても1万種近くもあるんですね
先ずは、よく見かけるものからでも覚えたいです。
今回の記事のように、名前の由来を知ると興味が湧きますね。
2012年04月18日 08:51
T&Mさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
シダの出現は4億年前といいますから、種子植物が最初に現れるより1億5千年前位でしょうか。高等植物の大先輩ですね。長い歴史を通じて形態も荒々しく大きなものから、今日みるようなものへと変化してきたものと思いますが、優しい感じのものが多いですね。
身近なものを少し調べてみたいと思っています。
とんとん
2012年04月18日 13:01
この中で分かるのは、ゼンマイとヒトツバだけ。
ゼンマイは胞子葉の生長の途中の造形が愉快で楽しいです。
ヒトツバは表の緑と裏の色のコンビネーションがお洒落で気にいっていますが、シダとは思えない様子です。
生駒の風
2012年04月19日 01:40
こんばんは!
「シダ」はよく見ると魅力的な植物ですね。
小学校時代夏休みの宿題に昆虫採集と植物採集をしていました。1年生は近くの道端の植物採集で、5年生のときは「シダ植物」6年生は「薬用植物」でした。1年まえ母がなくなり、母の品物を整理しているとそのときの作品が箱の中に保管されていました。
まだ充分見ごたえがあることに驚きました。捨てることができなくて持ち帰りました。
採集した当時のことを少し思い出しました。
危ない岩肌で「イワヒバ」をとったとき、「ヒカゲノカズラ」をとるとき滑って落ちそうになったことなど少し覚えています。
ヒトツバ、ヤノネシダ、クリハランなど思い出しました。
2012年04月19日 08:29
とんとんさん、コメントありがとうございました。
私の在住地にはワラビは見かけないのですが、ゼンマイはところどころにあります。あの生え始めはとてもユーモラスですね。見ていて楽しくなります。
ねじまき時計に使う「ぜんまい」とシダの「ぜんまい」とどちらが語源的に先か知りたいので、鋼鉄の「ぜんまい」の項を見たら、「形がぜんまいの若葉に似る」とありましたので、シダのぜんまいの方が古い語なのでしょうね。
2012年04月19日 08:31
かなたさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。
2012年04月19日 08:46
生駒の風さん、コメントありがとうございました。
小学時代の宿題も案外その後の人生のどこかに役に立つとか、影響を与えるということがあるものですね。私の場合もそんな宿題が生物好きのトリッガーになっていたのかも知れません。子どものときの夏、家族で海辺の家に何日か滞在したとき、浜辺に落ちているミル、アオサ、テングサ、ホンダワラなど、海藻を拾って来て標本にして先生に渡したところ、なんだか褒められたような経験があります。
5年生のとき、シダを採集なさったなんて、凄いですね。標本を保管なさっていたお母様の愛情も感じられます。
2012年04月22日 00:55
シダ類も分かれば面白いだろうなあ、と思いつつ、みんな同じに見えてしまう私です。観察会で説明されてもちっとも頭に入ってきません。何事も自分で本気になって勉強しないとダメですね。
2012年04月22日 08:17
winning-fieldさん、コメントと気持玉をありがとうございました。
散歩に出ると、シダをよく見かけるのですが、花の咲いている植物の方に目移りがしていしまい、あまり観察したことがないのですが、植物園のシダを見て、少し調べてみようかなという気になっています。
2012年04月22日 08:21
kemochimeさん、気持玉をありがとうございました。
見て下さってうれしく思います。

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